「配偶者居住権」の相続税の課税について ~ 相続法の改正で大きく変わります⑫
金曜日は、相続税や贈与税を記事にしています。40年ぶりに相続法が改正されています。
新たに創設された制度が「配偶者居住権」です。
今回は「配偶者居住権」の相続税課税について
を考えます。
改正前は、居宅と土地は相続財産として「建物」、「土地(建物の敷地)」を評価することになっていたわけです。
しかし、「配偶者居住権」という新たな権利ができたことにより、「建物の価額(A)」は配偶者の「配偶者居住権の価額(A1)」と所有者の「財産(A2)」に分かれます。
また、「建物の敷地の価額(B)」は、「配偶者の敷地利用権の価額(B1)」と所有者の「財産(B2)」に区分されることになります。
つぎのとおりです。
単純に考えれば
第1次相続(父親の相続)では、相続財産は「A1+B1」の合計額を配偶者が相続し、「A2+B2」(配偶者居住権の負担がついた所有者の財産)をこどもが相続することになります。
第2次相続(母親の相続)では配偶者居住権は消滅します
つまり、配偶者が死亡した場合には、配偶者居住権により制約を受けていた所有権が完全なものになります。
その際に、所有者(こども)に対する経済的利益の移転は考慮しない(相続税は課税しない)という建て付けになっています。
ということは、第1次相続の際に母親に配偶者居住権を取得させた後、土地建物を相続したこどもは、第2次相続の際に配偶者居住権の利益に対する相続税の負担を減少させていることになります。
《参照》
9-13の2 配偶者居住権が合意等により消滅した場合
注書き
「(注)民法第1036条《使用貸借及び賃貸借の規定の準用》において準用する同法第597条第1項及び第3項《期間満了及び借主の死亡による使用貸借の終了》並びに第616条の2《賃借物の全部滅失等による賃貸借の終了》の規定により配偶者居住権が消滅した場合には、上記の取り扱いはないことに留意する」
変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する(ピーター F.ドラッカー)
Every day is a new day!
秋の1日を元気にお過ごしください。
相続法の改正で大きく変わります
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相続税をわかりやすく!
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金曜日は「相続税をわかりやすく!」を紹介しています。
争族を避けるための基礎知識、相続の権利でよく出てくる問題、節税の三原則などをお伝えしています。
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