養子縁組した養子の子(孫)は相続時精算課税を受けることができますか? ~ これならわかる相続税㊶
金曜日は「相続税をわかりやすく!」です。
養子縁組前後の養子の子(孫)の取扱いはちがいます
したがって、相続時精算課税の適用の有無に違いがでます。
たとえば
■私は、平成5年5月3日に叔父の甲と養子縁組をしました。
■私には養子縁組前に生まれた子Aと養子縁組後に生まれた子Bがいます。
■平成31年3月末現在で、子Aは28歳。子Bは25歳です。
Q1
私の子AとBは、私の養親である叔父の甲の孫になりますか?
Q2
私の子AおよびBに相続時精算課税の特例を受けたいと思っています。
AとBは相続時精算課税を受けられますか?
養子縁組前に生まれた子Aは叔父甲の孫に当たりません
一方、養子縁組後に生まれた養子(私)の子Bは叔父甲の孫に当たります。
子Aは、孫に該当しないため相続時精算課税は受けられません
一方、子Bは相続時精算課税の特例の他の要件に該当すれば、相続時精算課税の適用を受けることができます。
子Aと子Bに違いが生じるのは次の理由からです。
「養子縁組により親族関係が生じるのは、養子縁組の日」からです
養子縁組により親族関係が生ずるのは「養子と養親およびその血族との間においては、養子縁組の日から」となっているからです。
したがって、養子縁組前に出生している子Aには叔父甲との間において親族関係が生じないからです。
一方、養子縁組後に生まれた子Bは、親族関係となった後の養子の子です。養親である叔父甲の孫になります。
代襲相続権も同じです
この親族関係は、相続における代襲相続権も同じです。
かりに養親である叔父甲の死亡の時に、養子(私)が既に死亡していた場合の代襲相続権は、Aにはありません。
養子縁組後に生まれたBのみに「代襲相続権」があります
<参考>
相続時精算課税とは
贈与時に、贈与財産に対する贈与税を納め、その贈与者が亡くなった時にその贈与財産の贈与時の価額と相続財産の価額とを合計した金額を基に計算した相続税額から、既に納めたその贈与税相当額を控除することにより、贈与税・相続税を通じた納税を行う制度です。
→ 相続時精算課税は相続税のかからない方に有利な贈与税の制度です
次のような制度です。
(出所:国税庁パンフレット)
変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する(ピーター F.ドラッカー)
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これならわかる相続税
② 相続税がかかる財産。相続税のかかる財産の範囲を確認しましょう
⑤ 死亡保険金は相続財産になる?相続税がかかる場合と計算方法
⑦ 弔慰金を受け取ったとき、相続税がかかる場合とその計算方法
⑧ 企業年金など被相続人の死亡により取得する年金受給権。相続税の3つのポイント
⑭ 相続財産を公益法人などに寄附したとき相続税の対象としない特例があります
⑮ 特定一般社団法人等の理事が亡くなった場合、法人に相続税が課税されます
⑳ 相続開始前3年以内の贈与財産の加算と贈与税額控除(暦年課税)
㉑ 「未成年者の税額控除」未成年者の相続で注意すべきポイント
㉒ 障害者税額控除
㉓ 10年以内に父と母が立て続けになくなったなど、連続で相続が発生した場合
㉔ 法定相続人の数は重要です。相続人の中に養子がいるときは注意です
㉕ 代償分割とは、遺産の現物分割が困難な場合に行われる方法です
㉙ 財産がいくら以上であるとかかるのか?いつまでに手続きをするのか?
㉛ 相続時精算課税は相続税のかからない方に有利な贈与税の制度です
㉟ 相続時精算課税と住宅取得等資金の贈与の特例は併用できます
㊱ 相続時精算課税と住宅取得等資金の贈与特例の併用の際、家屋に居住できないとき
㊲ 消費税増税に伴い、住宅取得等資金贈与の非課税限度額が引き上げられています
㊳ 相続時精算課税選択後、相続税の基礎控除額以下であれば相続税の申告は不要です
㊴ 贈与者が贈与した年の中途に死亡した場合、相続時精算課税選択届出書の提出
㊵ 年の中途に養子縁組で推定相続人または孫となった場合の相続時精算課税の適用
相続税をわかりやすく!
② 遺産の分割が決まらないときでも、相続税の申告期限が延びることはありません。
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⑩ 払いすぎた相続税を取り戻す手続き。「更正の請求」のポイント。
⑪ 子どもがいる人が再婚したとき、連れ子は遺産を受け取る権利はありません。
⑰ 長期間結婚している夫婦間で行った居住用不動産の贈与等を保護
㉑ 遺言よりも登記を優先。銀行など第三者が貸付金を回収しやすくなります
⑭ 相続財産を公益法人などに寄附したとき相続税の対象としない特例があります
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