井上寧(やすし)税理士事務所井上寧(やすし)税理士事務所

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2019.07.26.Fri | 税金(相続・贈与・譲渡)

年の中途に、養子縁組で推定相続人または孫となった場合の相続時精算課税の適用 ~ これならわかる相続税㊵

 

金曜日は「相続税をわかりやすく!」です。

 

贈与者または贈与者の子との養子縁組などにより、年の中途に贈与者の推定相続人または孫になることがあります

 

推定相続人とは

 

将来、相続が起こったときに遺産相続することが推定される人のことです。

人が亡くなって遺産相続が発生するときは、法定相続人が相続人となります。しかし、まだ被相続人が亡くなっていない段階では、相続人は確定していません。

つまり、推定相続人とは、その時点で相続が開始したと仮定した場合に、相続人になる者のことです。

 

ただし、例外的なケースですが、推定相続人が遺産相続しない場合も考えられます。

相続欠格、相続人の廃除、相続人の死亡などが生じた場合です。

 

受贈者の要件

 

相続時精算課税は、60歳以上の贈与者から、20歳以上の推定相続人である子または孫が受けた贈与について適用することができます。

 

ただし、養子縁組により推定相続人になる前の贈与には、相続時精算課税の適用はできせん

 

つまり、年の途中に養子縁組などにより贈与者の推定相続人となった場合には、推定相続人となる前に贈与を受けた財産については、相続時精算課税の適用を受けることはできません。

 

たとえば、養子縁組の年において、養子縁組前の贈与と養子縁組後の贈与がある場合

 

①令和元年2月10日  財産の贈与(養子縁組前の贈与)

②令和元年6月10日  養子縁組

③令和元年9月20日  財産の贈与( 養子縁組後の贈与)

 

この年の贈与について相続時精算課税を選択した場合

①の養子縁組前の贈与は、基礎控除110万円の暦年課税により贈与税額を計算します。相続時精算課税の適用を受けることができません。

②の養子縁組後

③により贈与者の推定相続人となった以後の贈与は、相続時精算課税の適用を受けることができます。

 

養子縁組の解消後も、相続時精算課税制度が継続適用されます

 

養子縁組の時以後の贈与について、相続時精算課税制度を選択し、その旨の届出書を提出した場合は、養子縁組が解消され、推定相続人でなくなつたとしても、贈与者からの贈与については、相続時精算課税制度が継続適用されます。

 

 

 <参考>

相続時精算課税とは

贈与時に、贈与財産に対する贈与税を納め、その贈与者が亡くなった時にその贈与財産の贈与時の価額と相続財産の価額とを合計した金額を基に計算した相続税額から、既に納めたその贈与税相当額を控除することにより、贈与税・相続税を通じた納税を行う制度です。

 

相続時精算課税は相続税のかからない方に有利な贈与税の制度です

次のような制度です。

 

 

(出所:国税庁パンフレット)

【編集後記】

一昨日の祇園祭の24日の後祭(あとまつり)の写真です。

偶然に写真に収めることができました。

 

 

 

 

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 贈与者が贈与した年の中途に死亡した場合、相続時精算課税選択届出書の提出

 

相続税をわかりやすく!

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⑭ 相続財産を公益法人などに寄附したとき相続税の対象としない特例があります

 

 

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争族を避けるための基礎知識、相続の権利でよく出てくる問題、節税の三原則などをお伝えしています。

「相続税をわかりやすく!」の記事は

http://www.y-itax.com/category/souzoku/

 

 

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