井上寧(やすし)税理士事務所井上寧(やすし)税理士事務所

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2019.02.08.Fri | 税金(相続・贈与・譲渡)

相続税の計算としくみ。6つの順序で計算します。~ これならわかる相続税⑯

 

金曜日は相続税をわかりやすく!

 

計算の考え方は

まず遺産全体にかかる相続税の総額を計算します

 

それを相続人や受遺者が引きついだ財産額に応じて割り振って、各人の納税額を計算します。

 

具体的には、次の順序で計算します。

 

[1]それぞれの各人の課税価格を計算します

 

まず、相続や遺贈および相続時精算課税の適用を受ける贈与によって財産を取得した人ごとに、課税価格を次のように計算します。

 

① 相続または遺贈により取得した財産の価格

② みなし相続等により取得した財産の価格

③ ▲ 非課税財産の価額

④ 相続時精算課税に係る贈与財産の価格※1

⑤ ▲ 債務および葬式費用の額

⑥ ① + ② – ③ + ④ – ⑤ = 純資産価額(赤字のときは0)

 

⑦ 相続開始前3年以内の贈与財産の価格※2

⑧ ⑥ + ⑦ = 各人の課税価格(千円未満切捨て)

 

相続時精算課税に係る贈与財産の価格とは※1

相続時精算課税の特定贈与者が死亡した場合は、相続時精算課税の適用者(受贈者)が特定贈与者から相続または遺贈により財産を取得しない場合であっても、相続時精算課税の適用を受けた贈与財産は相続または遺贈により取得したものとみなされます。

贈与の時の価額で、相続税の課税価格に算入されることになります。

 

相続開始前3年以内の贈与財産の価格とは※2

相続または遺贈により財産を取得した相続人等が、相続開始前3年以内にその被相続人からの暦年課税に係る贈与によって取得した財産の価額をいいます。

 

[2]各人の課税価格を合計して、課税価格の合計額を計算します

 

①[1]で計算した各人の課税価格を合計して、課税価格の合計額を計算します。

各相続人の課税価格の合計 = 課税価格の合計額

 

②課税価格の合計額から基礎控除額を差し引いて、課税される遺産の総額を計算します。

課税価格の合計額 - 基礎控除額(3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数)

= 課税遺産総額

 

法定相続人について

■法定相続人の数は、相続の放棄をした人がいても、その放棄がなかったものとした場合の相続人の数をいいます。

■法定相続人のなかに養子がいる場合の法定相続人の数は、次のとおりとなります。

・ 被相続人に実子がいる場合は、養子のうち1人までを法定相続人に含めます。

・ 被相続人に実子がいない場合は、養子のうち2人までを法定相続人に含めます。

 

[3][2]で計算した課税遺産総額を、各法定相続人が民法に定める法定相続分に従って取得したものとして、各法定相続人の取得金額を計算します

 

課税遺産総額 × 各法定相続人の法定相続分 = 法定相続分に応ずる各法定相続人の取得金額(千円未満切り捨て)

 

[4][3]で計算した各法定相続人ごとの取得金額に税率を乗じて相続税の総額の基となる税額を算出します

 

法定相続分に応ずる各法定相続人の取得金額 × 税率 = 算出税額

 

[5][4]で計算した各法定相続人ごとの算出税額を合計して相続税の総額を計算します

 

各法定相続人ごとの算出税額の合計=相続税の総額

 

[6]各人ごとの相続税額の計算

 

計算した相続税の総額を、財産を取得した人の課税価格に応じて割り振って、財産を取得した人ごとの税額を計算します。

 

相続税の総額 × 各人の課税価格 ÷ 課税価格の合計額 = 各相続人等の税額

 

次の図解を参考にしてください。

(国税庁:暮らしの税情報)

 

 

また、国税庁の相続税の申告要否判定コーナーを使うと簡単です。

税額の目安を算出できます。

 

 

Every day is a new day!

冬の1日を元気にお過ごしください。

画像はヤマトくん、16歳です。

 

 

相続税の問題や将来の相続の問題のご相談をお伺いしております。

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これならわかる相続税

① どれぐらいの財産があると相続税がかかるのか? 

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 相続税がからない財産。非課税財産の範囲を確認しましょう

 交通事故の損害賠償金は相続財産になりますか?

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⑦  弔慰金を受け取ったとき、相続税がかかる場合とその計算方法

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⑪ 誰が相続人になるのか確認しましょう。相続人の優先順位

 土地と家屋の評価、大まかな評価の仕組み

 相続人が外国に居住していて日本に住所がない場合

⑭ 相続財産を公益法人などに寄附したとき相続税の対象としない特例があります

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相続税をわかりやすく!

① 相続税の申告と納付までの、相続手続きの順序と流れ

② 遺産の分割が決まらないときでも、相続税の申告期限が延びることはありません

③ 亡くなった方が遺言を残していなかった場合は、遺産分割協議書を作成します

④ 相続人によって最低の取り分が保証されています

⑤ 単に財産をもらわないことを「相続放棄」とはいいません

⑥ 相続税がかからなくても申告が必要な場合があります

⑦ 相続登記をほうっておいたらどうなる

⑧ 相続税の申告をほうっておいたらどうなる

⑨ 相続税を一度に支払えません。相続税延納のポイント

⑩ 払いすぎた相続税を取り戻す手続き。「更正の請求」のポイント

⑪ 子どもがいる人が再婚したとき、連れ子は遺産を受け取る権利はありません

⑫ 夫婦に子どもがいない場合の遺産トラブル事例

 遺言執行者は定めておく必要がありますか?

⑭ 自筆遺言が書きやすくなります

⑮ 法務局による自筆証書遺言の保管制度ができます

⑯ 配偶者居住権の創設によりどうなるのか

⑰ 長期間結婚している夫婦間で行った居住用不動産の贈与等を保護

⑱ 預貯金の仮払い制度ができました

⑲ 遺留分の算定方法の見直し

⑳ 遺留分減殺制度が変わります。遺留分を金銭債権化します

 遺言よりも登記を優先。銀行など第三者が貸付金を回収しやすくなります

㉒ 義父母の介護が報われる。特別寄与料の請求権の新設

⑭ 相続財産を公益法人などに寄附したとき相続税の対象としない特例があります

 

金曜日は「相続税をわかりやすく!」を紹介しています。

争族を避けるための基礎知識、相続の権利でよく出てくる問題、節税の三原則などをお伝えしています。

「相続税をわかりやすく!」の記事は

http://www.y-itax.com/category/souzoku/

 

 ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。

・月曜日は開業の基礎知識~創業者のクラウド会計

・火曜日は「平成30年度介護報酬改定の重要事項」

・水曜日は新事業承継税制特例のポイント解説

・木曜日は法人節税策の基礎知識

・金曜日は「相続税ついてわかりやすく!」

・土曜日は「経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方」

・日曜日は「贈与税をわかりやすく!」

 

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