別居親族が取得した宅地についての「小規模宅地等の特例」の取り扱いについて~ 贈与や相続・譲渡など資産税[161]
今回は
相続開始直前において被相続人の居住の用に供されていた宅地等を別居親族が取得した場合の「小規模宅地等の特例」
を紹介します。
ご質問がありましたので記事にしました。
特定居住用宅地等とは
相続開始の直前において被相続人等の居住の用に供されていた宅地等で、被相続人の親族が相続または遺贈により取得したものをいいます。
取得者の対象は
A: 被相続人の配偶者
B: 被相続人の居住の用に供されていた一棟の建物に居住していた親族
C: ①および②以外の者(いわゆる別居親族)
今回、特例の対象となる「C:別居親族」の要件(ルール)を見ていきます
次の(1)から(6)の要件をすべて満たすことが要件となります。
(1) 制限納税義務者で日本国籍を有しない者ではないこと。
(2) 被相続人に配偶者がいないこと。
(3) 相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた家屋に居住していた被相続人の相続人(相続の放棄があった場合には、その放棄がなかったものとした場合の相続人)がいないこと。
(4) 相続開始前3年以内に日本国内にある取得者、取得者の配偶者、取得者の三親等内の親族または取得者と特別の関係がある一定の法人が所有する家屋(相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた家屋を除きます。)に居住したことがないこと。
たとえば、相続人本人の持ち家、相続人本人の配偶者の持ち家などに住んだことがないようなケースです。
(5) 相続開始時に、取得者が居住している家屋を相続開始前のいずれの時においても所有していたことがないこと。
(6) その宅地等を相続開始時から相続税の申告期限まで有していること。
上の「(5)相続開始時に、取得者が居住している家屋を相続開始前のいずれの時においても所有していたことがないこと。」とは、具体的には次のポイントが重要です
時期の制限なし
3年以内といった期間の制限はありません。過去のいずれの時点でも所有していないことが求められます。
つまり、相続開始時に持ち家でなくても、過去に一度でも居住している家屋を所有していた場合は、この特例の適用を受けることはできません。
(出所:国税庁 タックスアンサー No4124 小規模宅地等の特例)
「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」
(ピーター F.ドラッカー)
立冬の1日、朗らかにお過ごしくださいね。
[編集後記]
公益信託の記事はお休みしました。
ブログは、曜日によりテーマを決めて書いております。
月曜日~木曜日に、おもに消費税の記事を書いております。
金曜日は公益信託の記事を掲載しております。
・「贈与や相続・譲渡など資産税」または「確定申告などの所得税」
・「公益信託」
免責
ブログ記事の内容は、投稿時点での税法その他の法令に基づき記載しています。
また、読者が理解しやすいように厳密ではない解説をしている部分があります。
本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。