井上寧(やすし)税理士事務所井上寧(やすし)税理士事務所

一からはじめる会計のお手伝い。スタートアップの志を支える税理士。
Blog丁寧解説お役立ちブログ。
2024.09.18.Wed | 税金(相続・贈与・譲渡)

見直し後、令和6年からの暦年課税の加算対象期間について ~  贈与や相続・譲渡など資産税[159]




今回は






暦年課税による生前贈与の加算対象期間の見直しについて






を紹介します。




令和5年度の税制改正により、相続時精算課税と暦年課税の見直しがおこなわれています。

適用は令和6年1月1日からです。




暦年課税の見直しの内容は次のとおりです




相続又は遺贈により財産を取得した方が、その相続開始前7年以内(改正前は3年以内)にその相続に係る被相続人から暦年課税による贈与により財産を取得したことがある場合には、その贈与により取得した財産の価額(その財産のうち相続開始前3年以内に贈与により取得した財産以外の財産については、その財産の価額の合計額から100万円を控除した残額)を相続税の課税価格に加算することとされます。




加算対象期間について




改正は、令和6年1月1日以後に贈与により取得する財産に係る相続税について適用されます。

具体的な贈与の時期等と加算対象期間は次のとおりです。











言い換えると、加算対象期間は次のようなイメージ(表)になります






ポイントは次の4つです



1 相続開始が令和9年以降からは、加算対象贈与財産のうち相続開始前3年以内に取得した財産以外の財産(上の図のオレンジ部分)の合計額から100万円を控除します。



2 相続開始前3年以内とは相続開始の日から遡って3年目の応当日からその相続の開始の日までの間をいいます。




3 被相続人からの相続または遺贈により財産を取得した者だけに生前贈与加算の適用があります。




4 相続時精算課税の適用者については、被相続人から相続または遺贈により財産を取得しなかった場合でも生前贈与加算の適用があります






たとえば






Q:




1 夫は令和10年4月1日に亡くなり、長男と長女は相続により財産を取得しました。


2 長男と長女が夫から生前に贈与(暦年課税)により取得していた財産の価額は次のとおりです。












3 これらの財産の価額は夫の相続財産にどのように加算されますか?




A:






相続開始日が令和10年4月1日のため、加算対象期間は令和6年1月1日から相続開始日までの間となります。


したがって

②から⑤までの贈与により取得した財産の価額が相続税の課税価格に加算されます。



なお、この加算の対象となる財産のうち相続開始前3年以内の贈与により取得した財産以外の財産については、その財産の価額の合計額から100万円を控除した残額が相続税の課税価格に加算されます。




したがって、各人の相続税の課税価格に加算される贈与により取得した財産の価額は、次のとおりです。









①の贈与により取得した財産の価額については、令和5年12月31日以前の贈与のため、相続税の課税価格に加算されません。







(出所:国税庁「令和5年度相続税及び贈与税の税制改正のあらまし」)






「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」

(ピーター F.ドラッカー)

白露の1日、朗らかにお過ごしくださいね。









[編集後記]



消費税の記事はお休みしました。










ブログは、曜日によりテーマを決めて書いております。

月曜日~木曜日に、おもに消費税の記事を書いております。

金曜日は公益信託の記事を掲載しております。







「消費税」

「法人税」または「経理・会計」

「贈与や相続・譲渡など資産税」または「確定申告などの所得税」

「公益信託」









免責

ブログ記事の内容は、投稿時点での税法その他の法令に基づき記載しています。

また、読者が理解しやすいように厳密ではない解説をしている部分があります。

本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。

投稿タグ
カテゴリーで絞る
back記事一覧へ戻る

まずはお気軽にお問い合わせください

06-6318-7726

営業時間:9:00~17:00(月曜日~金曜日)

メールでのお問い合わせ