「小規模宅地特例」2世帯住宅のうち区分所有建物の登記がされている1棟の建物の敷地の取扱い ~ 贈与や相続・譲渡など資産税[156]
今回は
区分所有登記がされている建物の場合、被相続人の居住部分のみに適用が認められます
を紹介します。
先日、ご質問がありましたので記事にしました。
たとえば
Q:
1 2階建ての区分所有建物で、登記上は建物の1階と2階で区分所有されています。建物内部では鍵により区分されていますが、行き来はできます。
2 建物の1階部分は被相続人Aが所有しています。2階部分は(土地が使用貸借)長男Cが所有しています。
3 長男Cは別生計の親族です。この建物の敷地の全部を被相続人Aの配偶者Bが取得した場合、小規模宅地の特例の適用はありますか?
A:
この建物は区分所有目的の建物です。
この場合の同居・非同居は、一棟の建物でその構造上区分された数個の部分の各部分(「独立部分」といいます)を独立して住居その他の用途に供することができる建物の場合にはその独立部分ごとに判断します。
このケースの場合、1階の部分と2階の部分がそれぞれ独立部分となります。
したがって、被相続人Aと長男Cは同居していないこととなります。
配偶者Bが取得した宅地のうち被相続人の居住の用に供していた部分に対応する敷地が特定居住用宅地等になります。
長男Cの居住の用に供している部分に対応する敷地は特定居住用宅地等にはなりません。
<参考>
租税特別措置法関係通達
69の4-21 被相続人の居住用家屋に居住していた親族の範囲
「措置法第69条の4第3項第2号ロに規定する当該被相続人の居住の用に供されていた家屋に居住していた親族とは、当該被相続人に係る相続の開始の直前において当該家屋で被相続人と共に起居していたものをいうのであるから留意する。この場合において、当該被相続人の居住の用に供されていた家屋については、当該被相続人が1棟の建物でその構造上区分された数個の部分の各部分(以下69の4-21において「独立部分」という。)を独立して住居その他の用途に供することができるものの独立部分の一に居住していたときは、当該独立部分をいうものとする。」
「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」
(ピーター F.ドラッカー)
白露の1日、朗らかにお過ごしくださいね。
[編集後記]
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