認知症で施設入所。空き家をどうします?「維持困難、売りたいけれど売れません」 ~ 贈与や相続・譲渡など資産税[154]
資産税に関する記事です。
今回は
認知症に備えて利用できる財産管理の制度「家族信託」について
を紹介します。
今日の朝日新聞(23/04/14)「くらし」欄からの記事です。
「全国で空き家が増え問題になっています。所有者が認知症になったり相続した人たちの間で意見が合わなかったりといったケースがあります。ただ処分を先送りにしていると 費用がかさみ売却などが難しくなりますどう対策をすればいいのか」という記事です。
ブログでは空き家問題について記事を書いてきました。
→ 空き家問題
そうした中で、亡くなった親の空き家をどう処分するか?という税務相談を受けることがあります。
処分(売却)では税務では次の特例があります。
→ 相続後に実家を譲渡した場合、空き家売却の3,000万円控除を使えるかどうかを検討します
一方、たとえば自宅の所有者(父親または母親者)が認知症になった場合、売却(法律行為)ができません
つまり、今後、認知症となる所有者が増えていくと、処分困難な空き家が増加します。
対策として認知症に備えて利用できる財産管理は次の2つです。
A:家族信託
B:任意後見
「B:任意後見」は、本人の判断能力が低下した後に開始しますが、財産維持が原則です。空き家を売却することは特別なケースであり、毎月の後見人に支払う報酬も本人が死亡するまで負担するという費用面でもデメリットが大きいです。
それに比べて「A:家族信託」は管理者を家族など信頼できる人を指名し、認知症になった場合でも空き家などの処分が可能になります。財産管理の自由度がかなり高くなります。また、費用の方も当初の契約書などの負担ですみ、後見人に払う費用も必要ありません。
認知症対策としての「家族信託」の専門知識をスキル化していきたいと考えています。
「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」
(ピーター F.ドラッカー)
春の1日を元気にお過ごしください!
[編集後記]
経営者佐藤芳直氏の公式ブログ「今日の一言」を、毎日、読んでいます。
ご自身が経営する株式会社S・Yワークスの社員を対象に書かれています。
誰でも読むことができます。
4/13(木)の「今日の一言」には次のようなメッセージがありました。
至言だと思います。
Q:
「幹部(管理職)に求める素養は何か?」
A:
「筆頭は『「情緒の安定した人物』であると、思います。自分の面子や小さな誇りに囚われて、過剰な言葉で自分を守り、感情を露にする人間には、なかなか真の信頼を寄せることは出来ないのではないか。リーダーになれば、自分の思いから逸脱する事態が8割。
つまり思いのままにならない日常が8割を超えるのです。その時に、どれだけ平常心を保ちつつ、先輩上司と連携できるか。部下に丁寧に向き合えるか。(略)自らの情緒感情を平穏に保つ事は、簡単ではありません。」
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
・月曜日~水曜日は「消費税」
・金曜日は「贈与や相続・譲渡など資産税」または「確定申告などの所得税」
免責
ブログ記事の内容は、投稿時点での税法その他の法令に基づき記載しています。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。