井上寧(やすし)税理士事務所井上寧(やすし)税理士事務所

一からはじめる会計のお手伝い。スタートアップの志を支える税理士。
Blog丁寧解説お役立ちブログ。
2017.11.24.Fri | 税金(相続・贈与・譲渡)

遺言書があっても、遺言書に関係なく、相続人全員合意があれば相続することができます!

金曜日は、相続税や贈与税について紹介しています。

 

前々回、前回と“争続”トラブルを回避のために、遺言書作成の大切さを紹介してきました。遺言書があれば、残された方の多くは、遺産分割が多少不満でも故人の遺志に反してまで争おうとしないからでした。

 

しかし、遺言書どおりに相続されない場合もあります。

 

意外と知られていないのですが、遺言書に書いてある財産を相続する人が法定相続人だけの場合に、法定相続人全員の合意があれば、遺言と異なる分け方で相続することができます。

例えば、「配偶者:山田花子に現金、長男:山田太郎に自宅、次男:山田次郎に株式」と遺言書に書いてあった場合、3人の遺族が「花子に自宅、太郎は株式、次郎は現金」を希望した場合には、3人が合意して遺産分割協議書を作成すれば、遺言内容と異なる遺産分割は可能です。

3人全員が合意して、遺産分割協議書の作成をすれば思いどおりに相続できます。

 

相続財産の分割方法は、次の4つのパターンになります。

① 遺言書

遺言書どおりに全ての財産を分割する。

② 遺言書+遺産分割協議書

遺言書に記載がある財産は遺言書どおりに分割。記載がない財産は相続人間で分割協議をして財産を分割する。

③ 遺産分割協議書(遺言書有り)

遺言書があるケースで、遺言書に関係なく相続人間で分割協議して財産を分割する。

④ 遺産分割協議書(遺言書なし)

遺言書がないケースで、遺言書に関係なく相続人間で分割協議して財産を分割する。

 

さきに紹介した「遺言書があっても、遺言書に関係なく、相続人全員合意があれば相続することができます」は③のパターンに該当します。

 

なぜ、③のようなことができるのでしょうか?「理屈」を説明しますと

「相続人と受遺者の全員の同意があれば、遺言内容と異なる遺産分割が可能です。遺言は、遺言者の死亡の時に効力が生じます(民985①)、一方で民法は、受遺者に対し相続開始後の遺贈の放棄を認めています(民986①)。」

 

「したがって、遺言と異なる遺産分割は、受遺者がいったん遺贈の放棄をし、その後に相続人間で分割協議をした考えることができるわけです」

「ただし、遺言執行者がいる場合は、相続人と受遺者は遺言執行者を加えた上で、遺産分割協議を行うべきでしょう」

(出所「遺産分割の手続と相続税実務(七訂版)」:小池正明、税務研究会)

 

相続や相続税に関することで気になることがあれば、電話やメールでお気軽にご相談ください(来所していただける場合は初回無料です)。

 

金曜日は、「そのときにあわてないための相続税に関する知識」として記事を紹介しています。

・「自筆証書遺言・公正証書遺言と成年後見制度の活用」はこちら(11/17)

・「残す側の思いをしっかりと伝える遺言書」はこちら(11/10)

・「特別受益の持ち戻しは気が利いた制度ですが?」はこちら(11/3)

・「介護や世話の評価は、もめる原因に一番なりやすい」はこちら(10/27)

・「遺産を相続人で分ける場合、平等は難しい」はこちら(10/20)

 

ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。

 

火・木曜日は、「介護事業の基礎知識バージョンアップ゚編」として記事を紹介しています。

最近よく読まれている記事

・「若野達也氏泥臭いが、スマートな社会課題解決のイノベーターです」はこちら(11/23)

・「ヘルスケアサービスの差別化事例~健康増進事業(株)」はこちら(11/21)

・「アクティブレジャー認証」はこちら(11/16)

 

 

月曜日は、開業予定者や創業者を対象に「開業の基礎知識~初めて開業する方に、税理士からお伝えします」

・「前年の所得にかかってきます。退職後の住民税の支払を忘れずに!」はこちら(11/20)

・「退職後に郵送される給与所得の源泉徴収票の保管を忘れずに」はこちら(11/13)

 

水曜日は、「同族会社とその役員の手引き」

 

土曜日は、「“会計”に挫折した起業者の方を対象に、起業者の会計超理解ハンドブック」

最近よく読まれている記事

・「損益計算書は前期と比較する!」はこちら(11/18)

・「損益計算書は5つの“利益”だけ覚えてください!」はこちら(11/11)

 

日曜日は、贈与税の特例制度の注意点を紹介しています。

最近よく読まれている記事

・「住宅ローン控除と贈与税の非課税は併用できますか?」はこちら(11/12)

・「親名義の住宅を子の資金で増築等リフォームした場合~名義変更しなければ贈与税がかかりますので工夫が必要です」はこちら(7/31)

 

免責

記事の内容は、投稿時点での税法その他の法令に基づき記載しています。また、読者が理解しやすいように厳密ではない解説をしている部分があります。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。

弊当事務所との協議により実施した場合を除き、本情報の利用により損害が発生することがあっても、弊事務所は一切責任を負いかねます。

投稿タグ
カテゴリーで絞る
back記事一覧へ戻る

まずはお気軽にお問い合わせください

06-6318-7726

営業時間:9:00~17:00(月曜日~金曜日)

メールでのお問い合わせ