相続開始から10年経過後は特別利益や寄与分はなし ~ 贈与や相続・譲渡など資産税[151]
相続法の改正に関する記事です。
今回は
相続開始時から10年を経過した後にする遺産分割は、具体的相続分ではなく法定相続分によります
を紹介します。
遺産分割を促進するため、相続開始時から10年を経過した後にする遺産分割について、 原則として特別受益および寄与分の規定が適用されないこととなりました。
すなわち、相続開始から10年の期間経過した後は、相続人は各相続人の法定相続分(または 指定相続分 がある場合には指定相続分)を前提に遺産分割を行うことになります。
ただし、例外(具体的相続分により分割する場合)があります
次のような「10年経過前に調停を申し立てた場合」や「やむを得ない事由がある場合」です。
① 10年経過前に、相続人が家庭裁判所に遺産分割請求をしたとき
② 10年の期間満了前6か月以内に、遺産分割請求をすることができないやむを得ない事由※が相続人にあった場合に、その事由消滅時から6か月経過前に、相続人が家庭裁判所に遺産分割請求をしたとき
※ 被相続人が遭難して死亡していたが、その事実が確認できず、遺産分割請求をすることができなかったなどです。
言い換えると
相続開始から10年経過する前に遺産分割協議が成立しない場合
相続人が家庭裁判所に遺産分割の請求を行わなければ、特別受益や寄与分を踏まえた遺産分割ができなくなります。
相続人に寄与分が認められる場合は、相続開始の時から10年を経過するまでに家庭裁判所に遺産分割請求の調停を申し立てる必要があります。
一方、相続人に特別受益が認められる場合は、相続開始の時から10年を経過するまでに家庭裁判所に遺産分割請求の調停を申し立てると不利益が発生する可能性があります。
これらの論点は税理士としての職分ではないですが。
相続人に「特別利益や寄与分が認められるかどうか」や「手続きの選択」などを踏まえたアドバイスを想定しておく必要があります。
<参考>
→ 相続開始10年経過後の遺産分割は特別受益および寄与分の規定は適用されません。そのルールの適用時期は?
「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」
(ピーター F.ドラッカー)
秋の1日を元気にお過ごしください!
【編集後記】
トップ画像は近くにある「CAGOM(カゴム)」さんの二十四節気のおべんとうです。
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