退職金にも税金がかかります。本人や遺族、受け取り方で税金が異なります。退職金の課税関係をわかりやすく ~ 贈与や相続・譲渡など資産税[94]
相続税や所得税に関する記事です。
今回は
退職金は本人が受け取ったとき遺族が受け取ったときでかかる税金が違います
を紹介します。
退職一時金が退職の生前に確定しているとき(本人がもらうケースです)
次のAとBの2つのケースがあります。
A 退職金の受給時に「退職所得の受給に関する申告書」を提出している場合
退職所得として本人に所得税が課税されます。分離課税です。確定申告不要。
B 退職金の受給時に「退職所得の受給に関する申告書」が未提出の場合
退職所得として本人に所得税が課税されます。
分離課税確定申告で精算します。計算式は次のとおりです
{(収入金額)-(退職所得控除額)}×1/2
ただし、特定役員の場合は×1/2は適用しません。
退職一時金を遺族がもらうケース(死亡後3年以内に確定している場合)
遺族に税金がかかります。次の2つ。
C 遺族に相続税がかかります
ただし、退職金から非課税限度額(500万円×法定相続人の数)を控除します
<参考>
D 税法で定められた弔慰金に該当する場合は非課税です
被相続人の雇用主から弔慰金などの名目で受け取った金銭のうち、実質上退職手当金に該当すると認められる部分は相続税の対象になります。
ただし、次に相当する部分は非課税になります。
① 被相続人の死亡が業務上の死亡によるもの → 普通給与の3年分相当額
② ①以外のもの→ 普通給与の6か月分相当額
退職一時金ではなく年金で受け取る場合
本人が受け取るか、遺族が受け取るかで、2つのパターンがあります。
E 本人が年金として受け取るとき
本人の雑所得として所得税が課税されます。
次の算式で計算して、確定申告で他の所得と総合課税です。
(収入金額-公的年金等控除額)
F 遺族が年金として受け取るとき
遺族に相続税(年金受給権)が課税されます。
「定期金に関する権利」として課税価格に含めます。
<参考>
→ 退職年金の継続受給権は相続税の課税対象になります
→ 被相続人の死亡により相続人が取得する年金受給権は、相続税の課税対象になる場合とならない場合があります
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(ピーター F.ドラッカー)
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