相続分の譲渡とは。亡くなった父親の一人息子が、叔母に相続財産を無償で譲渡したいという相談がありました ~ 贈与や相続・譲渡など資産税[80]
相続税に関する記事です。
今回は
亡くなった父親の相続人は一人息子だけです。息子は、以前から父親と折り合いが悪く、相続財産を取得せず、叔母にあげると言っています
を紹介します。
息子は弁護士に相談をしたところ叔母への相続分の無償譲渡をすすめられました
相続分の譲渡に関する民法の規定としては、民法905条の規定があるだけですが、この規定は、民法上、相続分の譲渡ができるということを前提として設けられています。
相続人がその相続分を第三者へ譲渡することを認めています。
<参考>民法 第905条
(相続分の取戻権)
共同相続人の一人が遺産の分割前にその相続分を第三者に譲り渡したときは、他の共同相続人は、その価額及び費用を償還して、その相続分を譲り受けることができる。
ただし、この場合、次のように相続税と贈与税の課税があることに注意する必要があります。
一人息子が叔母に相続分を無償譲渡した場合の相続人の取り扱いは
第三者に対して相続分を無償で譲渡したことになります。
つまり、相続分は、相続開始にさかのぼって相続人(息子)に帰属することになります。その帰属後に、相続分は第三者に移転したことになります。
息子は、その相続人の地位によりその相続分を相続したことになります。
相続分が基礎控除額を超える場合は、相続税の納税義務者として相続税が課税されます。
相続分を無償により譲り受けた叔母は
遺産(相続分)を相続人である息子から贈与により取得したものとして贈与税の課税を受けることになります。
贈与税の価額は、その相続分に対応する相続税評価額になります。
「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する」
(ピーター F.ドラッカー)
秋の1日を朗らかにお過ごしください。
[編集後記]
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