保険金の受取人がすでに死亡している場合、死亡保険金の受取人と受取割合 ~ 贈与や相続・譲渡など資産税[72]
相続税に関する記事です。
今回は
生命保険受取人が被保険者より先に死亡した場合、その保険金受取人と受け取る割合について
を紹介します。
保険金受取人が保険事故発生前に死亡しているとき
取得者は、契約者が受取人の変更の手続きをしないまま、亡くなったときは、保険金受取人の相続人全員がその保険金を取得することになっています。
保険金受取人の死亡(保険法第46条)
「保険金受取人が保険事故の発生前に死亡したときは、その相続人の全員が保険金受取人となる。」
次の事例で具体的に考えてみます
■ 妻Bは令和1年12月に死亡している。
■ その後、夫Aは令和3年4月に死亡している(AとBの間に子供はいなかった)。
■ N生命の生命保険契約(被保険者A、契約者A、負担者A、受取人B)により、Aの死亡により死亡保険金1,000万円が支払われた。
■ 契約者Aは受取人の変更の手続きをしないまま、亡くなった。
■ 妻Bの相続人は姉D、夫Aの相続人は弟Eのみでした。
死亡保険金受取人の死亡時の法定相続人(法定相続人のうち死亡している者があるときは、その者については、その順次の法定相続人)で死亡保険金の支払事由の発生時に生存している者が死亡保険金受取人となります。
受け取る割合については
通常は次の規定により、相続人は均等に保険金を受取ることになります。
<参考 >民法
第427条 分割債権及び分割債務
数人の債権者又は債務者がある場合において、別段の意思表示がないときは、各債権者又は各債務者は、それぞれ等しい割合で権利を有し、又は義務を負う。
ただし、保険契約において保険契約者が死亡保険金の受取人を被保険者の「相続人」と指定した場合は
特段の事情のない限り、その指定には相続人が保険金を受け取るべき権利の割合を相続分の割合によるとする趣旨の指定も含まれ、各保険金受取人の有する権利の割合は相続分の割合になります。
今回のケースはM生命の保険契約は保険契約者が死亡保険金の受取人を被保険者の「相続人」と指定した場合に該当しました。
したがって、N生命保険契約で示された「保険金受取人の有する権利の割合」は次のとおり
夫Aの相続人は弟E:3/4
妻Bの相続人は姉D:1/4
計算すると保険金は次のような取得金額となります
夫Aの相続人は弟E:1,000万円×3/4=7,500万円
妻Bの相続人は姉D:1,000万円×1/4=2,500万円
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