後妻に居宅を相続させ、後妻が死亡した場合、先妻の子に居宅を承継させたい場合(配偶者居住権の利用法) ~ 贈与や相続・譲渡など資産税[69]
相続税に関する記事です。
今回は
後妻に居宅を相続させるが後妻が死亡した場合、先妻の子に居宅を承継させたい場合(配偶者居住権の利用法)
を紹介します。
相続の際に、居宅に配偶者居住権を設定すれば、次のような区分で評価します
たとえば、後妻(配偶者)が居宅の配偶者居住権、先妻の子供が居宅の所有権を相続した場合
配偶者においては
「配偶者居住権の価額(Aの部分)」と、建物の敷地である「配偶者居住権に基づく敷地利用権の価額(Bの部分)」が相続する財産になります。
一方、所有者の財産(先妻の子供)は
建物・土地の時価からそれぞれAとBを差し引いた財産を相続することになります。
配偶者居住権を設定しない場合は
第1次相続は、配偶者は配偶者の税額軽減や特定居住用宅地の特例(小規模宅地等の減額特例)で、相続税が発生することは想定されません。
しかし、第2次相続では、配偶者から先妻の子供への遺贈として、2割加算の相続税の課税が発生します。
<参考>
→ 配偶者の税額軽減 配偶者の相続した財産にかかる相続税の負担が軽くなります
→ 相続税の節税の三原則のひとつ~「お金をモノに換えておく。小規模宅地等の減額特例」
→ 「相続税額の加算制度」相続税額の2割加算の対象になる人とは
配偶者居住権を利用する場合は
第1次相続では
「配偶者居住権の価額(Aの部分)」と、建物の敷地である「配偶者居住権に基づく敷地利用権の価額(Bの部分)」と、それ以外の部分に按分されます。
第2次相続では
第2次相続の段階で、「配偶者居住権の価額(Aの部分)」と、建物の敷地である「配偶者居住権に基づく敷地利用権の価額(Bの部分)」が消滅します。
したがって、先妻の子供への相続税の課税はありません。
つまり、配偶者居住権を利用することにより、相続税の負担を軽減できる効果があります。
ただし、こうしたケースは、滅多にないケースだと思います。
こうした利用は不幸せな相続だと感じてしまいます。
変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する(ピーター F.ドラッカー)
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