死亡後に支給される給与は相続税の課税財産に含めますか?含めませんか? ~ 贈与や相続・譲渡など資産税[59]
相続税に関する記事です。
今回は
死亡した方の給与で、その死亡後に支給期が到来するものは、本来の相続財産として相続税の課税対象になります
を紹介します。
たとえば
■役員T氏は、3月15日に死亡しました。
■給与支給日は、毎月25日です。会社は3月25日にT氏 に対する3月分の役員報酬50万円を配偶者に支払いました。
次のようなイメージです
死亡後に支給期(3/25)に到来しますので、本来の相続財産として、相続税の課税対象となります。
<参考>
相続税法基本通達 3-33
支給期の到来していない給与
「相続開始の時において支給期の到来していない俸給、給料等は、法第3条第1項第2号に規定する退職手当金等には該当しないで、本来の相続財産に属するものであるから留意する。」
この場合の所得税の取り扱いは次のとおりです
相続税法の規定により相続税の課税価格計算の基礎に算入されますので、二重課税の排除の観点から、所得税は課税されません。
<参考>
所得税基本通達 9-17
相続財産とされる死亡者の給与等、公的年金等及び退職手当等
「死亡した者に係る給与等、公的年金等及び退職手当等(法第30条第1項《退職所得》に規定する退職手当等をいう。)で、その死亡後に支給期の到来するもののうち相続税法の規定により相続税の課税価格計算の基礎に算入されるものについては、課税しないものとする。」
一方、死亡前までに支給期が到来し、死亡後に支払日が到来するときは
さきほどの例でいえば、たとえば次のような場合は
■ 給与支給期:3/10
■ 死亡日:3/15
■ 支払日:3/25
役員T氏の給与所得になります。源泉所得税が控除されます。
会社は、給与所得の源泉徴収票の支払金額欄に含める必要があります。この分も含め、年末調整を行います。
(出所:国税庁 質疑応答事例 死亡後に支給期が到来する給与)
月曜日の「創業者のクラウド会計」はお休みしました。
変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する(ピーター F.ドラッカー)
Every day is a new day!
初夏の1日を朗らかにお過ごしください。
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
・月曜日は「創業者のクラウド会計」
・火曜日は「消費税」
・水曜日は「消費税」
・木曜日は「経理・会計」
・金曜日は「贈与や相続・譲渡など資産税」
・土曜日は「創業者のクラウド会計」
・日曜日はテーマを決めずに書いています。
免責
ブログ記事の内容は、投稿時点での税法その他の法令に基づき記載しています。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。