年金を受けている方がなくなったときの未支給の年金に対する相続税の課税について~ 贈与や相続・譲渡など資産税[44]
資産税に関する記事です。
今回は
未支給年金は相続税の課税対象にはなりません。支給を受けた遺族の一時所得になります
を紹介します。
年金を受けている方が亡くなると
年金を受ける権利がなくなるため、受給権者死亡届の提出が必要です。
日本年金機構にマイナンバーを届け出ている方は、年金受給権者死亡届は省略できます。
年金を受けている方が亡くなったときに「まだ受け取っていない年金」があるとき
未支給年金としてその方と生計を同じくしていた遺族が受け取ることができます。
亡くなった方に一定の条件があてはまる遺族が居る場合、遺族年金等を受け取ることが出来ます。
未支給年金を受け取れる遺族は次のとおりです。受け取れる順位もこのとおりです。
年金を受けていた方が亡くなった際に、その方と生計を同じくしていた
(1)配偶者
(2)子
(3)父母
(4)孫
(5)祖父母
(6)兄弟姉妹
(7)その他(1)~(6)以外の3親等内の親族
「未支給年金」は相続税の課税対象にはなりません
つまり
未支給年金請求権は、死亡した受給権者に係る遺族が、未支給の年金を自己の固有の権利として請求するものであり、死亡した受給権者に係る相続税の課税対象にはなりません。
一方、遺族が支給を受けたその未支給年金は、その遺族の一時所得になります。
<参考>
相続税の課税対象とならない理由は次のとおりです
出所:国税庁 質疑応答事例 「未支給の国民年金に係る相続税の課税関係」
① 未支給の年金は遺族に対して認めたもの
国民年金法に基づく未支給年金請求権の相続性については、最高裁判決(平成7年11月7日)において、その相続性を否定しています。
すなわち、国民年金法第19条の規定については、同条が未支給年金の支給請求することのできる者の範囲及び順位について民法の規定する相続人の範囲および順位決定の原則とは異なった定め方をしており、これは民法の相続とは別の被保険者の収入に依拠していた遺族の生活保障を目的とした立場から未支給の年金給付の支給を一定の遺族に対して認めたものと解されているものです。
したがって、未支給年金請求権を本来の相続財産として相続税の課税対象となると解することはできません。
② 未支給の年金はみなし相続財産にあたりません
また、未支給年金請求権は、国民年金法の規定に基づき一方的に付与されるものであることから契約に基づかない権利(請求権)でありますが、相続税法第3条第1項第6号に規定する「これに係る一時金」には、継続受取人が受給を受けるべき「定期金が特別に又は選択的に一時金とされる場合の一時金のみが含まれる」こととされている趣旨からすると、未支給年金については、定期金ではなく最初から一時金のみを支給するものであるため、同号に規定するみなし相続財産にも該当しません。
変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する(ピーター F.ドラッカー)
Every day is a new day!
春の1日を元気にお過ごしください。
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
・月曜日は「創業者のクラウド会計」
・火曜日は「消費税」
・水曜日は「消費税」
・木曜日は「経理・会計」
・金曜日は「贈与や相続・譲渡など資産税」
・土曜日は「創業者のクラウド会計」または「決算書の読み方」など
・日曜日はテーマを決めずに書いています。
免責
ブログ記事の内容は、投稿時点での税法その他の法令に基づき記載しています。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。