認定NPO法人等に対するみなし譲渡所得税「非課税承認の取り消し」 ~ 遺贈寄付[21]
日曜日は、遺贈寄付についての記事を紹介しています。
今回は
非課税措置の適用を受けた後において、一定の理由により非課税承認が取り消され、寄付者または認定NPO法人等に課税されることがあります
を紹介します。
<参考> 制度の概要は次の記事を参考にしてください。
→ 認定・特例認定NPO法人への現物寄付の非課税特例の拡充について
非課税承認が取り消される場合は、「1 寄付者に課税される場合」と「2 認定NPO法人等に課税される場合」があります。
1 寄付者に課税される場合
次の場合に非課税承認が取り消されたときは、寄付者に対して所得税が課税されます。
①公益目的事業の用に直接供していない場合
基金に組み入れた資産を基金で管理しなくなり、かつ、その資産(その資産を譲渡し、譲渡による収入金額の全部に相当する金額をもって買い換えた資産を含みます。)を寄付日から2年以内に公益目的事業の用に直接供していない場合
②恣意的な寄付の場合
寄付資産(基金に組み入れる方法により管理されているものを除きます。)が認定NPO法人等の公益目的事業の用に直接供される前に、寄付により寄付者の所得税の負担を不当に減少させまたはその親族等の相続税または贈与税の負担を不当に減少させることと認められる場合
具体的には、たとえば、寄付資産を寄付者またはその親族その他特殊の関係がある者に無償若しくは著しく低い価額で譲渡した場合などがこれに該当します。
③基金明細書を税務署に提出しなかった場合
承認特例の適用を受けた寄付者が、寄付をした日の属する認定NPO法人等の事業年度終了後3か月以内に、その認定NPO法人等から交付される基金明細書の写しを税務署に提出しなかった場合
2 認定NPO法人等に課税される場合
次に掲げる事実(上記1に該当する場合を除きます。)が生じたことにより非課税承認が取り消された場合には、寄付を受けた認定NPO法人等に対して所得税が課税されます。
①公益目的事業の用に直接供しなくなった場合
基金に組み入れた資産を基金で管理しなくなり、かつ、その資産(その資産を譲渡し、譲渡による収入金額の全部に相当する金額をもって買換えた資産を含みます)を公益目的事業の用に直接供しなくなった場合
②恣意的な寄付の場合
寄付により寄付者の所得税の負担を不当に減少させ、またはその親族等の相続税または贈与税の負担を不当に減少させることと認められる場合
③要件に該当していない場合
承認申請書の提出の時において、寄付者が寄付先の認定NPO法人等の役員等および社員またはその親族等に該当しないこととする要件に該当していなかった場合、および承認申請書の提出の時において当該要件に該当しないこととなることが明らかであると認められ、かつ、その承認申請書の提出後に当該要件に該当しないこととなった場合
3 そのほか寄付者または認定NPO法人に課税される場合
①認定NPO法人の認定が取り消された場合
承認特例や特定買換資産の特例は、認定NPO法人または特例認定NPO法人であることが適用要件とされています。このため、これらの特例の適用後に、認定NPO法人の認定が取り消された場合、認定の更新が行われずに認定が失効した場合または特例認定NPO法人について新たに認定を受ける前に特例認定期間が終了した場合について、その時点で上記1①または2①に掲げる「基金に組み入れた資産を基金で管理しなくなった場合」に該当することとなります。寄付者またはNPO法人に課税されます。
②収入金額の全額が買換資産の購入に充てられていない場合
資産の買換えを行った際に、資産の譲渡による収入金額の全額が買換資産の購入に充てられていない場合、寄付者またはNPO法人に課税されます。
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