自宅兼事務所の家賃など、支出にプライベート用と事業用の双方が混ざっています。その場合、「家事按分」を効率的に行います。~創業者のクラウド会計⑤
自宅兼事務所の家賃など、その支出がプライベート用と事業用の双方が混ざったものがあるときは、事業で使用する比率分のみを経費に計上します。
「家事按分(かじあんぶん)」といいます。
自宅と仕事上を兼用して使っている場合は、仕事で使っている床面積分を、必要経費として計上できます。
たとえば、2LDK・60㎡のうち、ひと部屋(20㎡)が仕事用であれば、3分の1を必要経費にできます。もし、家賃が7万5千円であれば、2万5千円分を経費にできます。
さらに共益費なども家事按分できます。
つまり、事業部分を「地代家賃」として必要経費にします。
こうした家事按分のためにfreeeには家事按分機能があります。この機能を効率的に使います
決算のときに家事按分をしますが、決算を合理的に行うため、事前に日常処理に家事按分の仕組みを導入しておきます。
■事前準備:家事按分の対象となる品目を登録します(「品目」でタグ設定します)
家事按分を登録する際は、先に家事按分の対象となる取引に対して「品目」を登録しておきます。
例えば、地代家賃の取引を家事按分の対象とする場合は、「事務所」といった品目をあらかじめ追加しておきます。
■家事按分のルールを登録します
たとえば
自宅兼事務所であるマンションの家賃に毎月100,000円を支払っています。12ヶ月分の1,200,000円を家事按分します。事務所として利用している床面積は半分、事業利用比率は50%とします。次のとおりです。
■日常の入力で、家事按分を行いたい取引を登録します
予め設定した家事按分のルールに沿って、事業利用分とプライベート利用分の総額で支出を登録します。
按分前であるため、この時点では総額100,000円の地代家賃を入力した状態になります。
あとで「家事按分」機能でプライベート分が「事業主貸」へ振り替えられます。
既に取引を作成しており、後から家事按分のルールを追加した場合も、品目を一括付与することでルールを適用できます。
■確定申告の際の決算時においては
家事按分の計算が自動で行われます。
勘定科目「地代家賃」、品目「事務所家賃」の取引を50%で按分するというルールによって、たとえば総額が200,000円であれば、事業利用分が100,000円、プライベート利用分が100,000円で自動計算されています。
家事按分は、個人で事業をされている方の考え方です。法人の場合はこの考え方はありませんので、ご注意ください。
クラウド会計を使って効率的に記帳できますが、しかし最初からすべて自動化できるわけではありません。
効果的に活用するための勘どころを押さえることが必要になってきます。
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