ハローワークへの届出「人を雇った場合ハローワークで雇用保険の加入手続きをします!」~開業のための基礎知識⑨
開業のための基礎知識を、次の順序で説明しています。
1 個人事業を始める場合の各種届出と確定申告
2 事業の具体的な準備(資金調達・借入や助成金の活用など)
3 事業計画の作成
個人事業を始める場合には、いろいろな届出が必要になります。
前回から、社会保険の手続きをざっくりと紹介します。次のとおりです。
① 「労働基準監督署への届出」労働基準監督署で労災保険の手続きをします。
② 「ハローワークへの届出」雇用保険に加入しなければなりません。
③ 「日本年金機構への届出」年金事務所に届け出る必要があります。
今回は
「人を雇った場合ハローワークで雇用保険の加入手続きをします」を紹介します。
雇用保険に加入しなければならない
労働基準監督署への届出後、人を雇った場合、ハローワークで雇用保険の加入手続きをします。
雇用保険とは
失業保険のことです。これには個人事業主は、雇用保険に加入できません。
従業員が退職した場合、または従業員を解雇した場合などに失業給付を支払い、従業員とその家族を一定期間保護し、早期に再就職できるよう援助する仕組みの制度です。
保険料は、従業員と事業主が負担します
事業員へ支払う給与に対してかかってきます。保険料率は、一般の場合、0.90%(従業員0.30%、事業主0.60%です(平成30年1月末現在)
雇用保険の対象者とは
① 働く時間によって加入するかしないかが決まります。
② 正社員、パート、アルバイトという区分はありません。すべて労働者という扱いになります。
具体的な基準は
次のいずれにも該当するときは、雇用保険の加入手続きが必要です。
① 31日以上雇うことが決まっていること※
② 1週間の労働時間が20時間以上であること
※ 具体的には、次のいずれかに該当する場合をいいます。
・期間の定めがなく雇用される場合
・雇用期間が31日以上である場合
・雇用契約に更新規定があり31日未満での雇止めの明示がない場合
・雇用契約に更新規定はないが同様の雇用契約により雇用された労働者が31日以上雇用された実績がある場合
・当初の雇入時には31日以上雇用されることが見込まれない場合であってもその後、31日以上雇用されることが見込まれることとなった場合には、その時点から雇用保険が適用されます。
雇用保険の届出書類は、次の2つです
所轄のハローワークに提出します。
・ 雇用保険適用事業所設置届
・ 雇用保険被保険者資格取得届
下図では、雇用保険適用事業所設置届は③、雇用保険被保険者資格取得届は④の手続きにあたります。
(出所:厚生労働省「労働保険の成立手続き」)
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ではみなさん、今日も冬の1日を元気にお過ごしください!
月曜日は「開業のための基礎知識」~初めて開業する方に、開業の方法や必要書類の準備を税理士からお伝えしています。
起業に興味のある方、起業準備中の方、起業して間もない方は、ぜひ参考にしてください。
これらの方を対象に、開業に必要な基本的なルールを解説しています。
次回2/12(月)は「日本年金機構への届出」を紹介します。
月曜日は「開業の基礎知識~初めて開業する方に税理士からお伝えします」
・「開業の方法や必要書類の準備を税理士からお伝えします」はこちら(10/30)
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