「インボイス制度の少額特例」の修正待ちリストの見方と修正方法 ~ クラウド会計freee[262]

消費税の記事を掲載します。
今回は
インボイス制度の少額特例について「修正待ちリスト」が表示されることがあります。「少額特例」に該当する可能性がある取引を検知して表示してます
を紹介します。
freee会計の「修正待ちリスト」とは
よくある初期設定の誤りや記帳ミスを自動的に検知し、修正方法を表示する機能です。
インボイス制度の少額特例について「修正待ちリスト」が表示されることがあります
これは、インボイス制度の「少額特例」に該当する可能性がある取引を検知して表示します。
このチェックは、インボイス制度の導入にともない「通常の課税仕入に当たる税区分」と「経過措置用の税区分」を使い分けることになる課税事業者のうち、少額特例の対象となる事業者が使用することを想定しています。
そのため、インボイス制度の「買い手側対応機能」を使用する設定になっている場合にのみ、該当の取引が検知されます。
少額特例とは(2029年9月30日までの時限措置です)
インボイス制度の導入により、2023年10月1日以降は要件を満たしたインボイス(適格請求書)を受け取って保存していないと、その取引について原則として仕入税額の控除が認められなくなりました。
ただし、小規模な事業者向けには少額特例があり、税込1万円未満の仕入や経費はインボイスがなくても仕入税額の控除が可能です。
少額特例に該当する取引については、経過措置用の税区分ではなく 通常の課税仕入に当たる税区分を用いることで、仕入税額を控除できます。
少額特例の対象となる事業者とは(ざっくりと)
次のどちらかに当てはまる事業者です。
A: 前々年度の課税売上高が1億円以下
B :前年度の開始から6ヶ月間の課税売上高が5,000万円以下
「修正待ちリスト」でチェックできることは次のとおりです
① チェックを使用するには、初めに「少額特例の対象となる事業者かどうか」の設定が必要です。
② 対象となる事業者の方は、「修正待ちリスト設定」で特例の対象となる事業者かどうかの確認で「該当する」を選択して保存します。その後検知された取引が表示されるようになります。この確認は年度ごとに必要となります。
③ 設定後は、税込1万円未満の支出取引の中で「課対仕入(控80)10%」など経過措置用の税区分が用いられているものが表示されます。
④ 確認後、税区分をまとめて修正する]ボタンをクリックします。「課対仕入10%」など通常の課税仕入に当たる税区分に一括で変更します。
特定の取引について「修正しない」という選択をすることはできません
検知された取引の修正方法としては、次のAまたはBの方法によります。
A:「取引の詳細」を開いて個別に修正する方法
B:[税区分をまとめて修正する]ボタンからすべての取引の税区分を一括修正する方法
すなわち、特定の取引について「修正しない」という選択をすることはできません。
また次のような取引は少額特例に該当するものであっても検知の対象外となります。
① 発注書や経費申請から登録された取引など、登録した方法が「手動」「自動で経理」以外の取引
② 「+更新」を行った取引
③ 収入の取引
④ 振替伝票
次の事業者はチェックを使用して取引を修正する必要がありません
該当する事業者は修正待ちリストに表示されないように設定を切り替えておきます。
A:免税事業者
B:簡易課税または2割特例を選択する事業者
C:少額特例の対象に当てはまらない事業者
(出所:freeeヘルプセンター マニュアル)
「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」
(ピーター F.ドラッカー)
春の1日、朗らかにお過ごしくださいね。
[編集後記]
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