「労働基準監督署への届出」労働基準監督署で労災保険の手続きをします。~開業のための基礎知識⑧
開業のための基礎知識を、次の順序で説明しています。
1 個人事業を始める場合の各種届出と確定申告
2 事業の具体的な準備(資金調達・借入や助成金の活用など)
3 事業計画の作成
個人事業を始める場合には、いろいろな届出が必要になります。
前回までは、税務署への届出を紹介しました。今回から、社会保険の手続きをざっくりと紹介します。次のとおりです。
① 「労働基準監督署への届出」労働基準監督署で労災保険の手続きをします。
② 「ハローワークへの届出」雇用保険に加入しなければなりません。
③ 「日本年金機構への届出」年金事務所に届け出る必要があります。
今回は
「労働基準監督署で労災保険の手続きをします」です。
労災保険に加入しなければなりません
人を雇ったら、業務上の災害に備えるため労働者災害補償保険(「労災保険」)に加入する必要があります。加入手続きは、労働基準監督署で行います。
労災保険とは
仕事中に災害や事故にあってケガや病気になる業務災害を補償する制度です。労災保険は、たとえ従業員が1人であっても、加入が強制されています。
保険料は事業主が全額負担します
労災保険の保険料は、従業員に支払う給与に対してかかります。業種によって保険率が違います。(金融業等0.25%から鉱業8.8%まで平成30年1月現在)
これは、事業主は従業員に対して災害の補償責任があるということを根拠にしています。つまり、労働者を雇う事業主は、その労働者の仕事に伴う病気やケガに対しては、責任を負うべきだという考え方です。
事業主は原則労災保険に加入できません
労災保険は、通常従業員のみを対象としているので、事業者は加入できません。ただし、業種により特別加入制度を利用することができます。
※ 特別加入制度
労働者以外の方のうち、業務の実態や、災害の発生状況からみて、労働者に準じて保護することがふさわしいと見なされる人に、一定の要件の下に労災保険に特別に加入することを認めている制度です。特別加入できる方の範囲は、中小事業主等・一人親方等・特定作業従事者・海外派遣者の4種に大別されます。(窓口は各地区の労働基準監督署です)
労働保険の届出書類は次の2つです
① 保険関係成立届(下図の記載例を参考)
② 概算・増加概算・確定保険料申告書
保険料の算定基礎見込額は、加入日から翌年3月末までの給与総額をもとに計算します。あくまでも概算額になります。
従業員が業務中に大きなケガをした場合、事業主の責任になります。労災保険はまさかの際の補償に備えるものです。忘れずに手続きしてくださいね。
開業の手続きや税金で気になる点があれば、お気軽にご相談ください(初回無料です)。
では、みなさん。冬の1日を元気にお過ごしください!
月曜日は「開業のための基礎知識」~初めて開業する方に、開業の方法や必要書類の準備を税理士からお伝えしています。
起業に興味のある方、起業準備中の方、起業して間もない方は、ぜひ参考にしてください。
これらの方を対象に、開業に必要な基本的なルールを解説しています。
次回2/5(月)は「ハローワークへの届出」を紹介します。
月曜日は「開業の基礎知識~初めて開業する方に税理士からお伝えします」
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