申告していない上場株式等の譲渡損失がある場合、期限後の申告でも問題ありません ~ 確定申告で間違いやすい項目㉒
今回は
上場株式等にかかる譲渡損失の損益通算と繰越控除について
“申告し忘れていた上場株式等にかかる譲渡損失がある場合、繰越控除を受けるときは期限後申告を提出します”
を紹介します
たとえば次のようなケースです。
■平成30年
上場株式等に係る譲渡損失の金額がありましたが、確定申告をしていませんでした。
■令和元年分
平成30年分について確定申告を提出していないので、令和元年分は上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除を適用できないと考えました。
こうした場合は、平成30年分について期限後申告を提出します。
上場株式等にかかる譲渡損失の繰越控除を適用するには
譲渡損失が生じた年分について確定申告書付表(上場株式等にかかる譲渡損失の損益通算および繰越控除用)を添付した確定申告書を提出するとともに、その後の年分についても確定申告書付表を添付した確定申告書を連続して提出する必要があります。
確定申告書には期限後申告書が含まれます。
平成30年分について期限後申告を提出すれば問題ありません
したがって、平成 30 年分について特例を適用した期限後申告書を提出すれば、令和元年分の当初申告において繰越控除の適用を受けることができます。
ただし令和元年分の申告をした後に
平成30年分の期限後申告書を提出し、令和元年分について繰越控除を求める更正の請求をすることはできません。
<参考>
所得税法第2条第1項 三十七 確定申告書
第2編第5章第2節第1款及び第2款(確定申告)(第166条において準用する場合を含む。)の規定による申告書(当該申告書に係る期限後申告書を含む。)をいう。
租税特別措置法 第2条第1項 十 確定申告書
所得税法第2条第1項第37号に規定する確定申告書をいう。
租税特別措置法 第37条の12の2
上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除
第7項
「第5項の規定は、同項に規定する居住者又は恒久的施設を有する非居住者が前項に規定する上場株式等に係る譲渡損失の金額が生じた年分の所得税につき当該上場株式等に係る譲渡損失の金額の計算に関する明細書その他の財務省令で定める書類の添付がある確定申告書を提出し、かつ、その後において連続して確定申告書を提出している場合であつて、第61項の確定申告書に同項の規定による控除を受ける金額の計算に関する明細書その他の財務省令で定める書類の添付がある場合に限り、適用する。」
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冬の1日を元気にお過ごしください。
確定申告で間違いやすい項目
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災害を受けた個人が知っておきたい税金の負担が軽くなる仕組み
雑損控除
① 災害を受けた個人が知っておきたい税金の負担が軽くなる仕組み
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⑤ 現状回復のための支出がある場合(翌年・翌々年に支出した災害関連支出)
⑥ 原状回復費用から資産の損失額を控除した残りが災害関連支出となります
⑦ 災害による控除対象となる資産とはどのような資産か?たとえば「現金」は?
⑧ 「家財の搬出費用」「ホテルの宿泊費用」は災害関連支出の対象となりますか?
⑨ 損害を受けたことにより支払い受ける保険金や損害賠償金は、損失から差し引きます
⑩ 災害年の翌年に災害関連支出をした場合には、「雑損失の金額の計算書(2年目以降)」を使用します
個人の確定申告について、次の記事を参考にしてください。
木曜日の「法人節税策の基礎知識」はお休みしました。
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