井上寧(やすし)税理士事務所井上寧(やすし)税理士事務所

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2020.02.16.Sun | 税金(個人)

申告し忘れた過去の上場株式等の譲渡損失の申告について「更正の請求」により損失控除ができる場合 ~ 確定申告で間違いやすい項目⑳

 

今回は

「申告し忘れた過去の上場株式等の譲渡損失」の繰越控除のしかた

 

を紹介します。

 たとえば

■平成30年申告

 

平成30年に上場株式等を譲渡したことにより譲渡損失が発生しました。これを当初の確定申告書に記載せずに申告していました。

 

令和元年申告

 

令和元年は上場株式等の譲渡所得に黒字が発生しました。平成30年分の申告書には、譲渡損失を繰り越すとする記載がありません。

しかし、次のようにすれば

その損失の金額は令和元年分の株式等に係る譲渡所得等の金額から控除することができます。

 

平成30年分の申告について「更正の請求」をします

 

確定申告書に上場株式等に係る譲渡損失の金額に関する明細書の添付がない場合であっても、「更正の請求」において譲渡損失の金額が明らかにされたときは、確定申告書に上場株式等に係る譲渡損失の金額に関する明細書の添付があった場合と同様に取り扱うこととされています。

 

つまり、平成30年分の申告について更正の請求をした後で

令和元年分の申告において、平成 30 年分の譲渡損失の金額を上場株式等に係る譲渡所得等の計算上、控除することができます。

 

ただし、特定口座(源泉徴収あり)の場合は

 

源泉徴収選択口座内の所得については、当初申告において申告していない場合は、申告不要を納税者が選択したこととなります。更正の請求は認められません。

 

<参考>

租税特別措置法関係通達 37の12の2-5 

更正の請求による更正により上場株式等に係る譲渡損失の金額があることとなった場合

「上場株式等に係る譲渡損失の金額が生じた年分の所得税につき当該上場株式等に係る譲渡損失の金額の計算に関する明細書その他の財務省令で定める書類の添付がある確定申告書を提出した場合には、同項に規定する上場株式等に係る譲渡損失の金額の計算に関する明細書その他の財務省令で定める書類の添付がなく提出された確定申告書につき通則法第23条《更正の請求》に規定する更正の請求に基づく更正により、新たに上場株式等に係る譲渡損失の金額があることとなった場合も含まれるものとする。」

 

 

変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する(ピーター F.ドラッカー)

Every day is a new day!

冬の1日を元気にお過ごしください。

 

 

確定申告で間違いやすい項目

 

① 妻が契約者になっている生命保険の保険料、生命保険料控除の対象となりますか?

 事業を始めた個人が、青色事業専従者に給与を支払うこととなった時の手続き

③ 事業を始めた個人が、開業準備期間中に支出した費用(開業費)

 年末、年内に納品した分で未請求の売掛金の記帳を忘れずに【決算】

 プライベート用と事業用の混ざった支出のうち、いくらが必要経費で落とせるのか?

 中古車を購入しプライベートで使っていたが、車を事業に使った(転用)場合の減価償却費の計算

⑦ パートやアルバイトなど。2か所以上から給与をもらっている方の確定申告

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⑫ 簡易課税の消費税申告書作成の際に、間違いやすい事項

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⑱ 株式を売却したときの、総収入金額の収入すべき時期について

 確定申告で選択した「上場株式等の譲渡所得等」の課税方式は変更することはできません         

 

災害を受けた個人が知っておきたい税金の負担が軽くなる仕組み

雑損控除

①  災害を受けた個人が知っておきたい税金の負担が軽くなる仕組み 

② 損失額と控除額の計算

 損失額が不明の場合には「損失額の合理的な計算方法」で算出します

 雑損控除の対象となる災害を受けた資産の範囲とは

 現状回復のための支出がある場合(翌年・翌々年に支出した災害関連支出)

⑥ 原状回復費用から資産の損失額を控除した残りが災害関連支出となります

 災害による控除対象となる資産とはどのような資産か?たとえば「現金」は

 「家財の搬出費用」「ホテルの宿泊費用」は災害関連支出の対象となりますか

 損害を受けたことにより支払い受ける保険金や損害賠償金は、損失から差し引きます

 災害年の翌年に災害関連支出をした場合には、「雑損失の金額の計算書(2年目以降)」を使用します

 

 

個人の確定申告について、次の記事を参考にしてください。

税金(個人)

 

 

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