井上寧(やすし)税理士事務所井上寧(やすし)税理士事務所

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2025.04.28.Mon | 税金(個人)

「市町村民税調整額」と「市町村民税調整控除額」の違い ~ 個人の税金




住民税の記事を掲載します。






「市町村民税調整額」とは非課税限度額付近の人の税負担を調整するための特別な措置。一方、「市町村民税調整控除額」とは人的控除の差を調整するための一般的な控除です






を紹介します。




市町村民税調整額(税額調整額)とは(ポイントは次の3つです)




① 住民税の所得割が非課税限度額をわずかに超える納税者が、非課税限度額を下回る納税者よりも手取りが少なくなることを防ぐために設けられた特別な調整措置です。


② おもに低所得者層で、住民税が課税されるかどうかの境界にいる人が対象となります。




③ 調整措置により調整される金額が「税額調整額」と呼ばれます。所得割から控除されます。




市町村民税調整額(税額調整額)の計算式とは




<参考> 比較すると次のような表になります









<参考>




市町村民税調整額(税額調整額)の具体例




計算例(基準日平成31年1月1日)


甲(昭和30年3月5日生)年金収入173万円 社会保険料8万円、配偶者控除あり

妻(昭和29年11月30日生)所得なし として計算します。




1 所得額の計算


65歳以下のため年金所得金額103万円(173万円-70万円)

その他の所得がないため、総所得金額等103万円


2 均等割非課税判定


総所得金額等103万円>81.9万円=31.5万円×2+18.9万円のため課税対象


3  所得割非課税判定


総所得金額等103万円>102万円=35万円×2+32万円のため課税対象


4  控除額の計算


基礎控除33万円 社会保険料控除8万円 配偶者控除33万円 控除合計額74万円


5  課税標準額の計算


(課税標準額=総所得金額等-控除合計額)29万円=103万円-74万円

課税標準額29万円


6  調整控除の計算


所得税との人的控除差の合計額10万円

合計課税所得が200万円以下のため調整控除額は人的控除差の合計額の5%

5千円=10万円×5%(県民税分2千円・市民税分3千円)


7  計算式及び計算に使う金額の確認


所得割の調整額=所得割非課税限度額-(総所得金額等-所得割額)


① 総所得金額等1,030,000円(計算後の所得額)

② 所得割非課税限度額 1,020,000円=350,000円×2+320,000円

③ 県民税所得割額9,600円=290,000円×4%-2,000円(県民税調整控除額)

④ 市民税所得割額14,400円=290,000円×6%-3,000円(市民税調整控除額)

⑤ 市県民税所得割額合計24,000円


8  税額調整の適否


(所得割非課税基準の金額)>(所得金額等)-(所得割の算出税額)

350,000円×2+320,000円>1,030,000円-24,000円

1,020,000円>1,006,000円 となり、税額調整の適用対象


9  市町村民税調整額(税額調整額)の計算

(県民税、市民税をそれぞれ計算して合計します。) 


県民税所得割調整額=(②-(①-⑤))×(③÷⑤)

5,600円=(1,020,000-(1,030,000-24,000))×(9,600÷24,000)


市民税所得割調整額=(②-(①-⑤))×(④÷⑤)

8,400円=(1,020,000-(1,030,000-24,000))×(14,400÷24,000)




(出所:福岡県古賀市市税課HP 税額調整とは)







「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」

(ピーター F.ドラッカー)

春の1日、朗らかにお過ごしくださいね。











[編集後記]

消費税の記事はお休みしました。




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