給与支払者の事務で「月次減税事務の手順」のうち「手順4 給与等支払時の控除」について~ 定額減税(その6)
定額減税の記事を掲載します
月次減税事務の手順を解説します。今回は「手順4 給与等支払時の控除」について
を紹介します。
「月次減税事務の手順」は次のとおりです
手順1 控除対象者の確認
手順2 各人別控除事績簿の作成
手順3 月次減税額の計算
手順4 給与等支払時の控除
手順5 控除後の事務
「手順4 給与等支払時の控除」は事務を次のように分解できます
4-1 給与等支払時の控除
4-2 控除前税額の計算
4-3 1回で控除できるケース~控除前税額からの控除
4-4 1回で控除できないケース~控除前税額からの控除
4-5 各人別控除事績簿・源泉徴収簿の記載例
4-1 給与等支払時の控除
給与等支払時における月次減税額の控除は、令和6年6月1日以後の支払う給与または賞与のうち、支給日が早いものについて源泉徴収されるべき所得税および復興特別所得税の相当額から順次控除します。
次のようなイメージです
(出所:「給与等の源泉徴収事務に係る令和6年分所得税の定額減税のしかたと留意点」令和6年3月5日国税庁課税部法人課税部 資料21頁)
4-2 控除前税額の計算
令和6年6月1日以後に支払う給与や賞与について所得税法の規定により「令和6年分源泉徴収税額表」を使用して、控除前税額を求めます。
言い換えると、いつも計算している手続きどおりです。
4-3 1回で控除できるケース~控除前税額からの控除
月次減税額の控除は、令和6年6月1日以降に支払う給与等の控除前税額から順次控除します。
下の事例では、最初に支払う6月賞与の控除前税額(36,556円)から、月次減税額の全額を控除できます。
つまり、控除した後の残額(6,556円)が6月賞与にかかる源泉徴収税額になります
その後は控除できる月次減税額はありません。年末調整を行う前までは従来の方法で源泉徴収税額を算出します。
4-4 1回で控除できないケース~控除前税額からの控除
月次減税額が下の事例のように120,000円の場合、最初に支払う6月給与の控除前税額(11,750円)を超えるため、月次減税額のうち6月給与で控除しきれなかった部分の金額は、以後に支払う6月賞与、7月給与、8月給与にかかる控除前税額から、順次控除します。
4-5 各人別控除事績簿・源泉徴収簿の記載例
さきほどの事例について、記載は次のとおりとなります。
<参考> 定額減税額の記事
→ 令和6年分所得税の定額減税「月次減税額の計算」で注意するポイントは3つ(その1)
→ 令和6年分所得税の定額減税の概要と給与支払者の事務をざっくりと(その2)
→ 給与支払者の事務「手順1 控除対象者の確認」と「手順2 各人別控除事績簿の作成」 (その3)
→ 給与支払者の事務のうち「月次減税額の計算(手順3)」について (その4)
→ 給与支払者の事務で「月次減税額の計算」のうち「居住者である扶養親族の確認」(その5)
「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」
(ピーター F.ドラッカー)
春の1日、朗らかにお過ごしくださいね。
[編集後記]
今日は消費税の記事はお休みしました。
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・「贈与や相続・譲渡など資産税」または「確定申告などの所得税」
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