給与支払者の事務「手順1 控除対象者の確認」と「手順2 各人別控除事績簿の作成」 ~ 定額減税(その3)
定額減税の記事を掲載します
昨日のブログ「令和6年分所得税の定額減税の概要と給与支払者の事務のあらまし」を踏まえて、月次減税事務の手順を解説します
を紹介します。
前回ブログに掲載した「月次減税事務の手順」は次のとおりです
手順1 控除対象者の確認
手順2 各人別控除事績簿の作成
手順3 月次減税額の計算
手順4 給与等支払時の控除
手順5 控除後の事務
今回は手順1と手順2まで解説します。
1 控除対象者の確認(手順1)
勤務している人の中から、月次減税額の控除の対象となる人(控除対象者)を選び出します。
控除対象者とは次の「基準日在職者」が控除対象者です。
「基準日在職者」とは
給与等の源泉徴収において源泉徴収税額表の甲欄が適用される居住者の人です。言い換えると、その給与の支払者に扶養控除等申告書を提出している居住者の人です。
ただし、基準日在職者であった人が、他の給与の支払者に扶養控除等申告書を提出した場合には、この人は控除対象者が除かれることになります。
一方、「基準日在職者」に該当しない人は次のような人です
A: 令和6年6月1日以後支払う給与等の源泉徴収において源泉徴収税額表の乙欄や丙欄が適用される人(つまり、扶養控除等申告書を提出していない人)
B: 令和6年6月2日以後に給与の支払者のもとで勤務することとなった人
C: 令和6年5月31日以前に給与の支払者のもとを退職した人
D: 令和6年5月31日以前に出国して非居住者となった人
この控除対象者の確認の時点において、合計所得金額(見積額)は勘案しません。合計所得金額が1,805万円を超えると見込まれる基準日在職者に対しても、月次減税事務を行うことになります。
2 各人別控除事績簿の作成(手順2)
月次減税事務においては、基準日在職者の各人別の月次減税額と各月の控除額を管理することになります。
国税庁において源泉徴収事務の便宜のために「各人別控除事績簿(基準日在職者の氏名や月次減税額の控除事績などを記載するもの)」を国税庁HPに掲載してます。
ただし、各人別控除事績簿の作成は義務ではありません。作成しなくても問題ありません。
「各人別控除事績簿」のテンプレートは次のようなものです。
次回、手順3以降を解説します。
「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」
(ピーター F.ドラッカー)
春の1日、朗らかにお過ごしくださいね。
[編集後記]
今日は消費税の記事はお休みしました。
トップ画像は片山町4丁目のお店「CAGOM」のインスタグラムより。
お店が雑誌に掲載されたとのこと。おめでとうございます!
ブログは、曜日によりテーマを決めて書いております。
現在は、消費税の記事を取り上げて、月曜日~金曜日に記事を書いております。
・「贈与や相続・譲渡など資産税」または「確定申告などの所得税」
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