「上場株式等の譲渡損失」について確定申告書付表を添付せず確定申告した場合 ~ 確定申告で間違えやすい項目
今回は
更正の請求ができず繰越損失を控除することができないケース
を紹介します。
先日、ご照会がありましたが、即答できませんでした。次のような事例です。
翌日、回答しました。
「確定申告を要しない上場株式等の譲渡による所得」の事例です。
たとえば
Q:
令和2年分:上場株式の譲渡損失について、令和3年以降に繰り越すため期限内申告しました。
令和3年分:株式取引がなかったため、医療費控除のため申告のみを行いました。
令和4年分:株式譲渡の年間取引が黒字となりました。令和3年分の申告について、申告し忘れた令和2年分からの繰越損失を計上する旨の「更正の請求」を行った上で、令和4年分の申告において、この繰越損失を控除することとしました。「更正の請求」は問題ありませんか?
A:
更正の請求は認められません。
つまり、令和4年分において令和2年分の譲渡損失は控除できません。
理由は次のとおりです。
「令和3年分について、確定申告書付表(上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除用)の添付なしで確定申告している以上、令和3年分の申告において令和2年から繰り越した損失を計上していないことは、国税通則法第23条1項に規定する『課税標準等もしくは税額等の計算が国税に関する法律の規定に従っていなかったことまたは当該計算に誤りがあったこと』 に該当しないことから、令和3年分の更正の請求には理由がないことになります
「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」
(ピーター F.ドラッカー)
芒種の1日、元気にお過ごしくださいね!
[編集後記]
・木曜日の「法人税」の記事はお休みしました。
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
・月曜日~水曜日は「消費税」
・金曜日は「贈与や相続・譲渡など資産税」または「確定申告などの所得税」
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