クレジットカードを使用して市町村へ寄附した場合。寄附した日の取り扱い ~ 確定申告で間違えやすい項目
個人の税金の記事を掲載します。
今回は
寄附先の市町村に寄附を申し込み、カード会社の決済日に口座から金銭が引き落とされますが?
紹介します。
その後、寄附先の市町村に入金され,領収書などが発行されます
寄附を申し込んでから領収書が発行されるまで、タイムラグがあります。
その期間において、年をまたぐこともあります。
寄附金控除の対象となる特定寄附金は現実に支払いがあったとき、とされています
<参考>
所得税基本通達78-1
支出した場合の意義
「法第78条第1項に規定する『特定寄附金を支出した場合』とは、同条第2項に規定する特定寄附金を現実に支払ったことをいうから、当該特定寄附金の支払のための手形の振出し(裏書譲渡を含む。)は、現実の支払には該当しないことに留意する。」
法人税基本通達9-4-2の4
手形で支払った寄附金
「令第78条《支出した寄附金の額》に規定する『支払』とは、法人がその寄附金を現実に支払ったことをいうのであるから、当該寄附金の支払のための手形の振出し(裏書譲渡を含む。)は、現実の支払には該当しないことに留意する。」
クレジットカード決済による寄附の場合は次のような手続きになります
① 寄附の申し込み
② クレジットカードの使用
③ 口座決済
①~③、いつの時点で現実に寄附金を支払ったこととなるのでしょうか?
通達からわかるように寄附金は現金主義ですので
寄附先の市町村に入金された段階で、寄附金を現実に支払ったことになると考えられます。
ただし、実務上は
「寄附先の団体から発行される領収書等に記載されている日付をみて、いつ支払った寄附金なのか確認することになるため、この日付の属する年分の寄附金として,寄附金控除の申告をすることになる。」(週刊税務通信:2013/02/18)
①の「寄附の申し込み」の時点では、寄附金を現実に支払ったことにはなりません。
また、③の「口座決済」で金銭が支出されたことにはなりますが、これはクレジットカード利用者とクレジットカード会社との関係です。
厳密には、寄附先の市町村に入金された際に寄附金を現実に支払ったことになると考えられますが
実務上、その現実に支払った日とは「領収書に記載されている日付」の属する年に寄附金を支払ったものとして取り扱うこととされています。
「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」
(ピーター F.ドラッカー)
冬の1日、元気にお過ごしくださいね!
【編集後記】
消費税のインボイスの記事はお休みしました。
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
・月曜日は「創業者のクラウド会計」または「電子帳簿保存法の改正」
・火曜日~木曜日は「消費税」
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また、読者が理解しやすいように厳密ではない解説をしている部分があります。
本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。