贈与は受けたが、マンションは建築中。「住宅取得等資金の贈与税の非課税」の適用は受けられますか?
「住宅取得等資金の贈与の非課税」で誤りやすい事例の第3回目。この制度は人気があります。多くの方が活用を検討されている制度だと思います。
そろそろ準備を初めてくださいね。毎週日曜日は、2018年の確定申告に向けて、誤りやすい事例を含めて紹介します。
前回の2回目のケース、「贈与は受けたが、家が完成しない。その家が請負契約により住宅用家屋を新築する場合」は非課税の適用はOKでした。
では、同じケースですが分譲マンションの場合はどうでしょうか?
Q 資金贈与を受けました。翌年3月15日までに、贈与を受けた住宅取得等資金の全額を、分譲マンションの購入の対価(手付け)に充てました。現在、設計図の段階で、マンションの完成は平成30年5月です。特例の適用は認められるのでしょうか?
A 請負契約による「新築」には、新築に準ずる場合(屋根を有し、棟上げ後の状態)も含まれますが、分譲マンションや建売住宅の「取得」は売り主から引き渡しを受けたことをいうとされています。
新築されるマンションを設計図の段階で締結した場合には、契約日を取得の日と取り扱うことはできません。マンションが完成する平成30年5月の引き渡しを受けたときに、取得したことになりますので、住宅取得等資金の贈与税の非課税の特例を受けることはできません。
<参考>租税特別措置法関係通達
70の3-8 住宅用家屋の取得の意義
住宅用家屋の取得及び既存住宅用家屋の取得とは、売主から住宅用家屋の引渡しを受けたことをいうものとする。
したがって、いわゆる建売住宅や分譲マンションについては、売買契約が締結されている場合又はこれらの建物が新築に準ずる状態にある場合であっても、その引渡しを受けていない限り、住宅用家屋の取得には該当しないことに留意する。
制度の解説は、次の記事を参考にしてくださいね。
「息子がマイホームを購入し、不足資金を親が援助します」はこちら(7/10)
「子供が親から住宅資金をもらった場合の贈与税の非課税」はこちら(7/17)
「リフォーム資金を親が出資した場合〝住宅取得等資金の贈与の特例〟を使えます」はこちら(7/24)
「住宅取得等資金の贈与の非課税」で誤りやすい事例の記事は次のとおり
・「贈与は受けたが、家が完成しない。贈与税の非課税の適用が受けられますか?」はこちら(10/29)
・「贈与は受けたが、住宅に住めない!贈与税の非課税の適用は受けられますか?」はこちら(10/22)
「住宅取得等資金の贈与の非課税」で、気になる点や疑問点があれば、電話やメールでお気軽にご相談ください(初回は無料です)。
制度は簡単そうにみえますが、以外と複雑です。非課税の適用を受けられると思い申告したところ、受けられないケースが増えています。
次のとおり税務などの記事を紹介しています。
月曜日は「開業の基礎知識~初めて開業する方に、税理士からお伝えします」
水曜日は「同族会社とその役員の手引き」
金曜日は「いざそのときにあわてないための相続税や贈与税に関する知識」
土曜日は「“会計”に挫折した起業者の方を対象に、起業者の会計超理解ハンドブック」
・「財務3表はなぜ必要なのか?」はこちら(10/28)
日曜日は
「住宅取得等資金の贈与税の非課税の誤りやすい事例~2018年3月申告用の手引き」
火・木曜日は、「介護事業の基礎知識バージョンアップ゚編」として、記事を紹介しています。
「介護事業の基礎知識バージョンアップ編」は、ケアビジネスに関心がある方やこれから介護事業の経営に取り組まれようと考えられている方を対象に、介護事業に関する基本的で重要な事項を紹介する内容にしています。
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