井上寧(やすし)税理士事務所井上寧(やすし)税理士事務所

一からはじめる会計のお手伝い。スタートアップの志を支える税理士。
Blog丁寧解説お役立ちブログ。
2022.04.21.Thu | 税金(個人)

会社と雇用契約のない外交員に支払われる外交員報酬とは。税務上の取り扱いをわかりやすく ~ 確定申告で間違いやすい項目



個人の税金に関する記事です。



今回は




歩合制販売部分で外交員に支払われる報酬は、外交員報酬と呼ばれています。その税務上の取り扱いとは?




を紹介します。




外交員とは




所得税法に定義はありません。ただし次のようなものがあります。




所得税法第204条第1項第4号に規定する外交員とは



① 事業主の委託を受け、継続的に事業主の商品等の購入の勧誘を行い

② 購入者と事業主との間の売買契約の締結を媒介する役務を自己の計算において事業主に提供し

③ その報酬が商品等の販売高に応じて定められている者

と説明されます。

(平11.3.11裁決、裁決事例集No.57 206頁)



商品をサービス(役務の提供)に置き換えても差し支えないと考えます。


こうした外交員の方の所得区分は次のように考えます


つまり、外交員に対する支給額は、所得税上、「給与部分(給与所得)」と「外交員報酬」(事業所得)に分けるルールとなっています。


1 旅費とそれ以外の部分とに明らかに区分されている場合


  旅費は非課税。旅費以外は給与所得です。


2 固定給とそれ以外の部分とに明らかに区分されている場合


  固定給※1は給与所得。固定給以外は事業所得(外交員の報酬)です。




3 1および2以外の場合




総合勘案※2をして、給与と認められるものは給与所得、それ以外は事業所得(外交員の報酬)です。


※1 一定期間の募集成績によって自動的にその額が定まるものおよび一定期間の募集成績によって自動的に格付される資格に応じてその額が定めるものを除きます。一方、固定給を基準として支給される臨時の給与を含みます。

※2 報酬の支払の基因となる役務を提供するために要する旅費等の費用の額の多寡その他の事情を総合勘案します。


外交員報酬は源泉徴収する必要があります







源泉徴収すべき所得税の額は、報酬・料金の額から1か月当たり12万円(同月中に給与等を支給する場合には、12万円からその月中に支払われる給与等の額を控除した残額)を差し引いた残額に10.21パーセントの税率を乗じて算出します。




たとえば次のように計算します




① 報酬を20万円支払う場合




(20万円 – 12万円)× 10.21% = 8,168円




② 報酬20万円と給与5万円を支払う場合




{20万円 -(12万円 – 5万円)}× 10.21% = 13,273円


③ 報酬20万円と給与15万円を支払う場合


{20万円 -(12万円 – 12万円)} × 10.21% = 20,420円

給与の額(15万円)が控除額12万円を超えるため、控除額の残額は0円になります。


(出所:タックスアンサーNo.2804 外交員等に支払う報酬・料金)





「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する」

(ピーター F.ドラッカー)

春の1日、笑顔の多い1日となりますように!





[編集後記]

木曜日の「贈与や相続・譲渡など資産税」はお休みしました。

野口製麺所さんにお昼を食べにいきました。

トップの画像は、春の新メニュー「いたち」です。








ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。



・月曜日は「創業者のクラウド会計

・火曜日は「消費税

・水曜日は「個人の税金」

・木曜日と金曜日は「贈与や相続・譲渡など資産税

・土曜日は「創業者のクラウド会計

・日曜日は「経理・会計」






免責


ブログ記事の内容は、投稿時点での税法その他の法令に基づき記載しています。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。

カテゴリーで絞る
back記事一覧へ戻る

まずはお気軽にお問い合わせください

06-6318-7726

営業時間:9:00~17:00(月曜日~金曜日)

メールでのお問い合わせ