子どもの過去の国民年金保険料を親が一括して支払った場合の「社会保険料控除」 ~ 確定申告で間違いやすい項目52
個人の確定申告に関係する記事を掲載します。
今日は
支払った社会保険料は、「社会保険料控除」の対象となるかならないか?よくあるケース
を紹介します。
社会保険料控除とは
自己または自己と生計を一にする配偶者その他の親族が負担することになっている社会保険料を支払った場合、その全額を所得から差し引くことができます。
Q1 子供の過去の国民年金保険料を一括して支払った場合
たとえば、生計を一にしている子供の国民年金保険料を過去3年分まとめて支払いました。その支払った全額を親である私の本年分の社会保険料控除の対象としてよいでしょうか?
A1 社会保険料控除できます
本年中に支払ったものであれば、過去の年分のものであっても本年分の社会保険料控除の対象になります。
Q2 翌年分の保険料を支払った場合
本年中に翌年3月までの1年間分の保険料を支払いましたが、その支払った全額を本年分の社会保険料控除の対象としてよいでしょうか?
A2 社会保険料控除できます
前納した期間が1年以内のものについては、本年分の社会保険料控除の対象として問題ありません。
Q3 2年分の国民年金保険料を前納した場合
国民年金保険料の「2年前納」制度があります。その前納した全額をその支払った年分の社会保険料控除の対象としてよいでしょうか。
A3 社会保険料控除できます
前納した2年分の国民年金保険料の全額をその支払った年分の社会保険料控除の対象として問題ありません。
また、各年分の保険料に相当する額を各年に控除する方法を選択することもできます。
Q4 生計を一にしていた子の国民年金保険料を負担した場合
生計を一にしていた子が本年4月に他県に引っ越しました。引っ越し後の生計は別になります。4月以降も子の国民年金保険料は私(親)が毎月支払っています。この場合、私(親)が支払った子の国民年金保険料は全額、私の社会保険料控除の対象としてよいでしょうか。
A4 1月~3月に支払った国民年金保険料が親の社会保険料控除の対象となります
居住者が自己または自己と生計を一にする配偶者その他の親族の負担すべき社会保険料を支払った場合には、その支払った金額をその居住者の社会保険料控除の対象とすることができます。
この場合の「自己と生計を一にする配偶者その他の親族」に該当するかどうかの判定時期については、国民年金保険料を支払った時点で判定します。
したがって、親が支払った子の国民年金保険料のうち、生計を一にしていた期間、すなわち、1月から3月に支払った国民年金保険料についてのみ、親の本年分の社会保険料控除の対象とすることができます。
(出所:国税庁 所得税 Tax Answer)
<参考>
所得税法 第74条 社会保険料控除
「居住者が、各年において、自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族の負担すべき社会保険料を支払つた場合又は給与から控除される場合には、その支払つた金額又はその控除される金額を、その居住者のその年分の総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額から控除する。」
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