2種類の所得金額調整控除は併用可能です。両方の控除を適用した場合の控除額は最高25万円(15万円+10万円)です ~ 確定申告で間違いやすい項目51
個人の確定申告に関係する記事を掲載します。
今日は
子どもや特別障害者を有する人が、給与所得と公的年金等に係る雑所得がある場合、所得金額調整控除を適用するときは、所得金額調整控除後の給与所得で計算することに注意します
を紹介します。
所得金額調整控除とは、給与所得者の総所得金額を計算する場合に、一定の金額を給与所得の金額から控除するというものです。
所得金額調整控除には、二種類の控除があります。
①子ども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除、②給与所得と年金所得の双方を有する者に対する所得金額調整控除、です。
①と②の所得金額調整控除は併用可能です
ただし、両方の控除を適用した場合の控除額は最高25万円(15万円+10万円)です。
<参考>②の所得金額調整控除は次の記事を参考にしてください
→ 「給与所得と年金所得の双方を有する者に対する所得金額調整控除」とは
①の「子ども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除」とは
その年の給与等の収入金額が850万円を超える給与所得者で、①のⅰ~ⅲのいずれかに該当する給与所得者の総所得金額を計算する場合に、②の所得金額調整控除額を給与所得から控除するものです。
①の適用対象者とは
ⅰ 本人が特別障害者に該当する者
ⅱ 年齢23歳未満の扶養親族を有する者
ⅲ 特別障害者である同一生計配偶者または扶養親族を有する者
②の所得金額調整控除額とは
{給与等の収入金額(1,000万円超の場合は1,000万円) - 850万円}×10%=控除額(最大15万円)
その夫婦双方がこの控除の適用を受けることができます
この控除は扶養控除と異なり、同一生計内のいずれか一方のみの所得者に適用するという制限がありません。
したがって、たとえば、夫婦ともに給与等の収入金額が850万円を超えており、夫婦の間に1人の年齢23歳未満の扶養親族である子がいるような場合には、その夫婦双方が、この控除の適用を受けることができます。
たとえば、①と②の所得金額調整控除は併用可能なケースとは
■年齢:64歳(給与所得と公的年金等に係る雑所得を有する)
■給与収入1,196万円
■公的年金等の収入110万円
■20歳の扶養親族を有する
所得金額調整控除は次のように計算します
①給与所得(所得金額調整控除前)
1,196万円-195万円(給与所得控除)=1,001万円
②給与所得(所得金額調整控除後)措置法41の3の31①適用
1,001万円-15万円(給与所得調整控除、給与収入が1,000万円を超えているため上限額の15万円)=986万円
③公的年金等に係る雑所得
110万円-60万円(公的年金等控除)=50万円
公的年金等控除は次の図を参考にしてください。
(出所:東大阪市HP)
所得金額調整控除(措置法41の3の31①)適用がある場合は、所得金額調整控除後の給与所得(986万円)で判定します。公的年金等控除が 60万円になります
④給与所得(所得金額調整控除後)措置法41の3の31②適用
986万円-10万円(所得金額調整控除、給与所得、公的年金等の雑所得がどちらも10万超のため上限額10万円)=976万円
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