「息子がマイホームを購入し、不足資金を親が援助します」~贈与税が課税されますか?資金援助の方法は?
今回から子供がマイホームを購入する際に、贈与を含む親からの住宅資金の援助の方法を考えていきます。
月曜日は、これからマイホームの購入や売却などを検討されている個人の方を対象に、税金の話を分かりやすく伝えます。マイホームの税金の手引き(第15回)
親からの住宅資金援助の方法は、次のとおり3つあります。
① 親が住宅資金を子供に贈与する場合は次の特例があります
ア 住宅取得等資金贈与の特例…一定金額まで贈与税はかかりません。
イ 住宅所得資金の相続時精算課税の特例
② 親が住宅資金を子供に貸し付ける場合
親子間借入は金融機関からのローン条件と同水準にする必要があります。「あるとき払いの催促なし」は贈与税の問題が発生しますのでご注意ください。金銭借用書を作成し、一定の利息を付けて契約書に基づき毎月返済するなど慎重に検討・計画ください。
③ 住宅資金の出資割合で登記する場合
親子の資金の出資割合で所有権の登記をします。贈与税の問題は発生しません。ただし、共有名義の住宅の親の持分は親に相続が発生した場合に相続財産になります。
今回は上記の①ア「住宅取得等資金贈与の特例」をご紹介します。
住宅取得等資金贈与の特例とは
① 申告義務があります
住宅資金をもらった方は翌年3月15日までに申告する必要があります。
② 対象となる資金
自己居住のマイホームを新築・購入(一定の中古住宅を含む)、または一定の増改築をするための資金を、直系尊属(親・祖父母など)からもらった場合
③ 対象となる場合
20歳以上の子・孫などで、合計所得金額が2,000万円以下の者
④ 遺産に加算されない
住宅資金は親などが亡くなった場合でも、相続税の計算上、遺産に加算されません。
⑤ 親などの年齢は不問
親・祖父母の年齢制限はありません
⑥ 床面積が50㎡以上240㎡以下の住宅・マンションに適用
⑦ 非課税限度額
300万円~3,000万円(次週の月曜日にくわしく紹介します)
規定は租税特別措置法70の2です。
住宅ローン控除の記事(全7回)は次のとおりです。(前回までの記事で住宅ローン控除の説明は終了します。)住宅ローン控除をお考えの方は参考にお使いください。
「住宅ローン控除」はこちら(5/15)
「住宅ローン控除を具体例で説明」はこちら(5/22)
「共働き夫婦が住宅購入、資金拠出割合と登記持分割合に注意」はこちら(6/5)
「共働きの夫婦が住宅ローンを借りる際、控除対象とならない場合」はこちら(6/12)
「ローン控除を利用する場合の注意点、返済期間は10年以上?」はこちら(6/19)
「住宅ローン控除を毎年受けている場合に住宅ローンを借換えた場合」はこちら(6/26)
「すまい給付金」はこちら(7/3)
月・水・金は次のとおり税務の記事を紹介しています。
月曜日は「マイホームの税金の手引き」
水曜日は「個人事業と会社で事業をした場合、税金はどう違う?」
金曜日は「いざそのときに慌てないための相続税や相続に関する知識」
火・木・土曜日は、介護事業についての記事のうち、現在は介護保険法の改正記事を紹介しています。
住宅ローン控除などの税務に関するご質問・ご相談については、窓口から電話やメールでお気軽にご照会ください。おまちしています。