共働きの夫婦が住宅を買ったとき、資金の拠出割合と登記持分割合は一致していますか?贈与税の問題をクリアーしてください。マイホームの購入や売却の時に知っておきたい住宅の税金の手引き
マイホームは不動産なので、購入時や売却時、また所有時も税金の問題が生じます。またマイホームは生活の中で高額な資産になります。それにかかわる税額も大きく、もちろん経済的な影響が大きくなります。
確定申告時期に受けたご相談の中で、医療費控除とならんで、マイホーム売却後の相談や購入前の税金にかかわる相談がやはり多かったです。
そうしたことから、月曜日のブログは、これからマイホームの購入や売却などを検討されている個人の方に対象に、分かりやすく税金の話をしています。
共働きの夫婦が住宅を購入するとき、通常はその購入資金を夫婦共同で負担します。そのようなときに、実際の購入資金の負担割合と所有権登記の持分割合が異なっている場合には、贈与税の問題が生じます。
例えば総額3,000万円の住宅を購入し、夫が2,000万円、妻が1,000万円の資金負担をしたものの、所有権の登記は夫と妻それぞれの持分を2分の1とした場合です。
次のような場合ですね。
夫 … 資金割合2/3で持分割合1/2
妻 … 資金割合1/3で持分割合1/2
この場合、妻の所有権は登記持分の2分の1ですから、3,000万円の2分の1の1,500万円となります。
しかし、購入のための資金は1,000万円しか負担していませんから、差額の500万円については夫から妻へ贈与があったことになります。 この場合、資金の負担割合に応じて夫3分の2、妻3分の1の所有権登記がなされていれば、贈与税の問題は生じません。
次のような場合ですね。
夫 … 資金割合2/3で持分割合2/3
妻 … 資金割合1/3で持分割合1/3
マイホームの登記持分と贈与税の課税の問題
登記の持分は出資割合に応じ登記しなければなりません。出資割合と相違する登記をした場合は、贈与税が課税されます。この場合であれば、夫から妻に500万円への贈与です。
根拠規定は、相続税法第9条(条文は読みやすくしています)です。
「対価を支払わないで、又は著しく低い価額の対価で利益を受けた場合においては、当該利益を受けた時において、当該利益を受けた者が、当該利益を受けた時における当該利益の価額に相当する金額を、当該利益を受けさせた者から贈与により取得したものとみなす。」
次週の月曜日も、マイホームにかかわる税金(取得から売却)のうち、注意が必要になる問題を取り上げます。期待してくださいね。
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