「決算書の全体像をイメージする」~経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方②
土曜日は、経営者にとって必要な“会計”を紹介します。
前回から、経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方として、経営者の方が会社の数字を正確に理解して、融資や経営に活かせる会計の考え方を紹介しています。
今回は
「決算書の全体増をイメージする」を紹介します。
上図の2期分(前期・当期)の貸借対照表をみてください。その中で利益剰余金が前期30百万円から当期40百万円に増加しています。
つまり、利益剰余金が10百万円増えています。
この10百万円はどこからきたのかでしょうか?
じつは、当期の損益計算書で計上した当期純利益(10百万円)が、前期の利益剰余金(30百万円)に加算され、当期の利益剰余金40百万円になっています。
損益計算書の利益が利益剰余金にため込まれて、貸借対照表の純資産(資本金と利益剰余金の合計)を増加させています。
下図は前期の損益計算書です。
損益計算書の当期純利益と貸借対照表の利益剰余金はつながっています。
次のようなつながり方をしています。
前期の貸借対照表の利益剰余金 30百万円 … ①
当期の損益計算書の当期純利益 10百万円 … ②
当期の貸借対照表の利益剰余金 40百万円 … ①+②=③
このように利益は、損益計算書と貸借対照表でつながっています。
さらに、損益計算書と貸借対照表は事業(企業)活動を表しています
①お金を調達する
貸借対照表の右側で資金を調達します。
②お金を投資します
貸借対照表の左側で、資金を資産に投資します。
③売上を上げます。
投資をした結果、損益計算書に売上が計上されます。
④利益を上げます。
売上から費用を差し引いた残りが利益になります。
⑤利益をためます。
損益計算書の利益が貸借対照表の利益剰余金にため込まれます。そして再投資が行われます。
このように損益計算書と貸借対照表がそれぞれつながっています。そして、このつながっていることこそが、会計の仕組みにほかなりません。
決算書をみる際に、このつながりをイメージしていただければ、経営を考えるにあたって決して無駄にはなりません。
会計で気になる点や疑問点があれば、お気軽にご相談ください。
Every day is a new day!
みなさん!今日も春の1日を元気にお過ごしください。
経営者には、「お金の動きを通して会社の状態を把握し、経営をコントロールする」ことは必須です。
そのために、経営者目線で会社の成績をあらわす決算書の読み方・活かし方を押さえておく必要があります。
土曜日は“会計”を紹介しています
経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方
・「借入金の返済に必要なもうけはいくらですか?」こちら(2/24)
「会計超理解ハンドブック(No1~No17)」
会計の勉強を始めた起業者の方に、会計をわかりやすく解説しています。
気楽にお読みください。
・「会計の勉強を始めたが…」はこちら(10/28)
・「財務三表とは?」はこちら(11/4)
・「損益計算書は5つの“利益”だけ覚えてください」はこちら(11/11)
・「損益計算書は前期と比較する」はこちら(11/18)
・「貸借対照表は三つの箱で理解する!」はこちら(11/25)
・「貸借対照表は五つの箱で考える」はこちら(12/2)
・「貸借対照表で現金を増やす方法がわかる」はこちら(12/9)
・「キャッシュフロー計算書は資金繰り表です」はこちら(12/16)
・「減価償却費って何ですか?」はこちら(12/23)
・「利益は出ているけれど、黒字倒産はなぜ起こる」はこちら(12/30)
・「決算書はどう読むか?貸借対照表のチェックポイント『純資産』」はこちら(1/6)
・「貸借対照表のチェックポイント『固定資産と純資産』」はこちら(1/13)
・「C/F計算書のチェックポイントは『営業キャッシュフロー』」はこちら(1/20)
・「貸借対照表は2期分ならべて、比べる」はこちら(1/27)
・「利益の増加とは、自力で資金調達していることと同じです」はこちら(2/3)
・「毎月、試算表を作成して活用する!」はこちら(2/10)
・「月次試算表から資金繰りを把握する方法」はこちら(2/17)
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
・月曜日は「開業の基礎知識~初めて開業する方に、税理士からお伝えします」
・火・木曜日は「介護事業の基礎知識バージョンアップ゚編」
・水曜日は「同族会社とその役員の手引き」
・金曜日は「相続税についてわかりやすく」
・土曜日は「経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方」
・日曜日は「贈与税の迷ってしまう事例」