「貸借対照表(B/S)を2期分ならべて、くらべる!」貸借対照表のチェックポイント~会計の勉強を始めた起業者の方に“会計超理解ハンドブック”
土曜日は、起業者にとって必要な“会計”を紹介しています。
決算書はどう読むか?
今回は
「貸借対照表(B/S)を2期分ならべて、比べる!貸借対照表のチェックポイント」です。
貸借対照表をチェックするポイントとして「純資産」と「固定資産」を比較することや、自己資本比率、固定比率などを紹介しました。
貸借対照表の数字から財務比率を計算して財務分析をしても、決算書が分かったような気になりますが、あまり時間をかけてもいかがなものでしょうか。
それよりは、2期分(前期と当期)の貸借対照表をならべてチェックする方が、お金の流れを読み取ることができ、効果的です。
上図を見ていただいて、こういう感じでお金の流れを読み取ってください。
① まずは現金預金をチェックします。
前期から80百万円も減少しています。原因があるはずですので、他の項目をチェックしていきます。
② 商品(棚卸資産)が120百万も増加しています。
現金預金が減少した最大の理由が、この在庫にあることが分かります。
③ 貸付金が10百万円増えています。
これも現金預金が減少した理由だと考えられます。
④ 負債の長期借入金が増加しています。
銀行からの借金は増えていますが、キャッシュ(現金預金)は減少しています。
こうして見ていくと会社の現況はかなり厳しい状況だと分かります。
簡単な事例をあげましたが、貸借対照表の「現金預金の増減」に注目して、その原因を他の勘定科目から探る考え方です。
貸借対照表から、ざっくりとキャッシュフローとその要因を見つける方法です。
簡単な方法ですので、一度試してみてください。おすすめします。
今回は、貸借対照表を数字で掲載していますが、さらにこれらの数字を同一縮尺図で箱図を作成すると視覚的にもっとわかりやすくなりますね。
会計で気になる点や疑問点があれば、お気軽にご相談ください。初回無料です。
みなさん!今日も冬の1日を元気におすごしください!
起業者には、「お金の動きを通して会社の状態を把握し、経営をコントロールする」ことは必須です。そのためには、利益や売上高など会社の成績をあらわす“会計”と、お金をどのように使うかを判断するための物差しである“ファイナンス”の要点を、ざっくりと押さえておく必要があります。
土曜日は、会計の勉強を始めた起業者の方に“会計超理解ハンドブック”として会計をわかりやすく解説しています。気楽にお読みください。
・「会計の勉強を始めたが…」はこちら(10/28)
・「財務三表とは?」はこちら(11/4)
・「損益計算書は5つの“利益”だけ覚えてください」はこちら(11/11)
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・「貸借対照表は三つの箱で理解する!」はこちら(11/25)
・「貸借対照表は五つの箱で考える」はこちら(12/2)
・「貸借対照表で現金を増やす方法がわかる」はこちら(12/9)
・「キャッシュフロー計算書は資金繰り表です」はこちら(12/16)
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・「利益は出ているけれど、黒字倒産はなぜ起こる」はこちら(12/30)
・「決算書はどう読むか?貸借対照表のチェックポイント『純資産』」はこちら(1/6)
・「貸借対照表のチェックポイント『固定資産と純資産』」はこちら(1/13)
・「C/F計算書のチェックポイントは『営業キャッシュフロー』」はこちら(1/20)
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
・月曜日は「開業の基礎知識~初めて開業する方に、税理士からお伝えします」
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