ローカルベンチマークのうち最後に作成する非財務情報「4つの視点」について ~ 中小企業の「決算書」の読み方[66]
「経理・会計」の記事です。
今回は
4つの視点を踏まえて「現状認識」と「将来目標」を明らかにして、現状と目標のギャップを可視化して課題と対応策を考えます
を紹介します。
ロカベンは財務情報と非財務情報の2つの側面から
経営者と金融機関などが同じ目線で対話を深める入口となることを目的としています。
財務分析だけでなく、業務フロー・商流や経営者、事業、外部環境・関係者、内部管理体制など非財務情報も含めて経営全般を俯瞰することができます。
具体的にはローカルベンチマークは次の3枚組シートです
①「6つの指標」(財務)
②「商流・業務フロー」(非財務)
③「4つの視点シート」(非財務)
今回、紹介する③の「4つの視点シート」とは次のような視点です
① 経営者への着目
② 事業への着目
③ 企業を取り巻く環境・関係者への着目
④ 内部管理体制への着目
① 「経営者」への着目とは
経営者自身の考え方を明らかにします。
つまり、経営者の経営理念、ビジョンや後継者の有無などを整理します。
② 「事業」への着目
自社の事業が何で収益を上げているのか、それをどのような仕組みで実現しているのかという点を整理します。事業の強みと課題がどこにあるのかを把握します。
具体的には
商流や業務フロー、強みと弱み(技術力・販売力等)、ITに関する投資・活用の状況、企業および事業沿革を整理します。
③ 「企業を取り巻く環境・関係者」への着目
市場動向・規模・シェアの把握、競合他社との比較、顧客リピート率、新規開拓率、主な取引先企業の推移、顧客からのフィードバックの有無、従業員定着率、 勤続年数・平均給与、取引金融機関数・推移、メインバンクとの関係を明らかにします。
つまり、自社を取り巻く市場環境の把握や、販売先や取引先企業からの評価、取引金融機関との関係性など、自社の外部環境や利害関係者について整理します。また、従業員に関しても整理します。
④ 「内部管理体制」への着目
組織体制、 情報管理体制・経営計画の有無(従業員との共有状況)、 研究開発 商品開発の体制、 知的財産権の保有活用状況、 人材育成の取組状況、 人材育成の仕組みを明らかにします。
つまり、内部管理体制が整っているかという視点です。また経営目標が社内で共有されているかを確認する意味合いがあります。
①「6つの指標」(財務)、②「商流・業務フロー」(非財務)、③「4つの視点シート」(非財務)を総合します
現状を認識したうえで、「将来目標」を明らかにして、そのギャップを埋めるための「課題」と課題を解消するための「対応策」を4つの視点のシートの下に記載します。
(出所:ローカルベンチマークガイドブック企業編)
「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」
(ピーター F.ドラッカー)
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