「決算書見せて」って言われたけど。新規の取引で金融機関は最初に決算書のどこをみるのでしょうか ~ 中小企業の「決算書」の読み方[60]
「経理・会計」の記事です。
今回は
「決算書見せて」って言われたけど。新規取引をはじめるかどうか?そもそも決算書で銀行の担当者が最初にチェックする項目は
を紹介します。
創業後、取引銀行を増やすために金融機関との新規取引を希望する方から、ご質問がありました。
新規の取引で金融機関は最初に決算書のどこをみるのでしょうか
決算書でチェックするポイントは次の4つです。
1 直近の期間は黒字かどうか。利益がでているかどうか。
2 債務超過ではないかどうか。
3 預金残高はいくらか。売上高の何ヶ月分あるのか。
4 借入金残高はいくらか。売上高の何ヶ月分あるのか。
1 直近の期間は黒字かどうか。利益がでているかどうか
原則として、赤字の場合に新規取引を始めるのは、難しいです。
ただし、赤字の理由に合理的な理由があれば、差し支えありません。
2 債務超過ではないかどうか
債務超過とは純資産がマイナスになっていることです。
貸借対照表であらわすと次のようなイメージです。
<参考>
→ ひとくちに赤字といっても当期赤字や累積赤字、債務超過があります。それぞれ違います
3 預金残高はいくらか。売上高の何ヶ月分あるのか?
最低で月商の1か月分の現金預金の確保は必要になります。欲を言えば月商の2か月~3か月の現金預金があれば問題ありません。
<参考>
→ 資金繰りを考える際にすぐにつかえるルールです。「現金預金対月商倍率」で自社の資金繰りをチェックしましょう
4 借入金残高はいくらか。売上高の何ヶ月分あるのか
借入限度額の目安は、年商の2分1(月商の6倍)といわれています。
<参考>
→ 借入金は自社にとって適正な水準となっていますか?「借入金月商倍率」で確認できます
新規に金融機関と取引する場合には、決算書から4つのポイントをチェックします。
それと重要なことですが、税金の滞納がないということも重要になります。
銀行は、勘定科目の明細書をみればチェックできます。
「変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。」
(ピーター F.ドラッカー)
向暑の1日。元気にお過ごしくださいね。
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
・月曜日は「創業者のクラウド会計」
・火曜日は「消費税」
・水曜日は「個人の税金」
・木曜日と金曜日は「贈与や相続・譲渡など資産税」
・土曜日は「創業者のクラウド会計」
・日曜日は「経理・会計」
免責
ブログ記事の内容は、投稿時点での税法その他の法令に基づき記載しています。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。