「悪い黒字」と「良い赤字」。銀行からの融資を受けやすくする黒字と赤字の決算書の考え方 ~ 中小企業の「決算書」の読み方[56]
「経理・会計」の記事です。
今回は
黒字でも「悪い黒字」、赤字でも「良い赤字」があります。「費用の前倒し」を検討してみましょう
を紹介します。
銀行からの融資を受けやすくするためには、決算書で利益は黒字ということが原則です。
しかし、売上が前期と比べて伸びることは確定していません。
売上が減少して、利益が伸びず赤字が発生することがあります。
こうしたことを踏まえて、銀行からの融資を受けやすくするために、黒字や赤字は長期的な視点に立って、決算を考えて行く必要があります。
1 「悪い黒字」を「良い黒字」に修正します
■ たとえば、当期1,000千円の黒字、次期▲200千円の赤字を予想した場合
■次期費用(600千円)を前倒しします。当期黒字を400千円、次期を赤字から黒字にします。これで2期黒字になります。
つまり、利益を平準化します。
2「悪い赤字」を「良い赤字」に修正します
■ たとえば、当期▲400千円の赤字、次期▲400千円の赤字を予想した場合
■次期費用(600千円)を前倒しします。当期赤字を▲1,000千円に。次期を赤字から黒字200千円にします。
つまり、赤字の先取りをするわけです。
決算を考えて将来の費用の前倒しを計画的に検討して実行します
次のような方法が考えられます。
■ 月払いの保険料を年払いに変更します。
■ 特別償却をします。
■ 30万円未満の減価償却資産は即時償却します。
→ 「資産を経費に」30万円未満の減価償却資産は即時償却します
■ 消耗品を購入します。
■ 経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)に入ります。
→ 経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)のメリット
■ 貸倒引当金を設定します。
■ 繰延資産を任意償却をします。
変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。
(ピーター F.ドラッカー)
春の1日、元気にお過ごしくださいね。
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
・月曜日は「創業者のクラウド会計」
・火曜日は「消費税」
・水曜日は「個人の税金」
・木曜日と金曜日は「贈与や相続・譲渡など資産税」
・土曜日は「創業者のクラウド会計」
・日曜日は「経理・会計」
免責
ブログ記事の内容は、投稿時点での税法その他の法令に基づき記載しています。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。