経営管理に利用する月次試算表を作成する際、月次試算表の精度・コスト・スピードのバランスに注意します ~ 中小企業の「決算書」の読み方[55]
「経理・会計」の記事です。
今回は
そもそも試算表とは仕訳や元帳への転記が合っているかを確認するための集計表ですが
Trial balance 略して TB といいます。しかし?
を紹介します。
決算書を作成する際には、当然、試算表を作成します。
さらにこれを進めて、これからは会計数字で経営管理するため、月ごとに決算(月次決算)を行い、月次試算表を作成することをオススメします。
月次決算で月次試算表を作成する目的とは
月次決算とは、年次決算とは違い、経営管理に活かすために毎月実施する決算をいいます。具体的には月次試算表を作成する作業のことをいいます。
次のようなメリットがあります
① 現況において利益・損失が出ているのか?そうでないのか?を把握する。
② 示された利益や損失を踏まえて、将来の予測を立て意思決定に活用する。
③ 銀行からの融資の際に必須です。
月次決算で月次試算表を作成しなくて
次のような月次推移だけでも確認することは必要です
この場合、月次推移をチェックするポイントは次のとおりです。
① 売上高や利益を時系列で確認します。
② 在庫の変動を時系列で確認します。
③ 借入金の残高推移を時系列で確認しますなど
月次試算表を経営管理に活用するためには月次試算表に精度が必要とされます
しかし、精度を高めるには時間もコストもかかります。
そのバランスが重要です。
そのバランスの中で、試算表の精度については次のような考え方が参考になります。
■ 預金残高は重要な第三者提供資料で、よりどころとなるものなので必ず合わせる(預金振替、現金引き出し時の二重計上に注意する) 。
■ 売上、仕入、人件費は月初から月末分を集計したものを使う(発生主義の徹底)。
■ 売上、仕入、人件費以外の間接費・固定費については、現金主義も認める。
■ 前払家賃等の支払金額にほとんど変動がない取引は毎月の振替処理は省略する。
■ 減価償却費は毎月計上する 。
■ 期首残高30万円以上の前払費用については月数按分して費用計上する。
■ リース資産はリース期間定額法により毎月償却計上する。
(出所:税理士が知っておきたい中小企業の財務改善ノウハウ、税理士 松波竜太)
変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。
(ピーター F.ドラッカー)
春の1日、元気にお過ごしくださいね。
[編集後記]
トップ画像は、北海道、春の美幌峠です。
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