井上寧(やすし)税理士事務所井上寧(やすし)税理士事務所

一からはじめる会計のお手伝い。スタートアップの志を支える税理士。
Blog丁寧解説お役立ちブログ。
2017.10.07.Sat | 経理・会計

介護会計で大切なのは「会計の区分」です。その処理ルールは4つあります。

土曜日は「介護事業者のための会計ハンドブック」として、経営に必要な会計を紹介しています。今回は8回目です。

 

「会計」と言っていますが、要するに「お金の管理」です。

領収書を整理したり、伝票をつくったりすることは、会社にとって必要なことですが、経営者にとって大切なことは、「お金の動きを通して会社の状態を把握し、経営をコントロールする。(「起業の技術」浜口孝則:かんき出版)」ことです。

 

会計ルールを定めた通知が、平成13年3月28日付け老振発第18号「介護保険の給付対象事業における会計の区分について」です。

(このルールは平成24年3月30日付老振発0330第1号で、一部改正されています)

 

介護サービス事業別に算出、表示することが求められています。

それぞれの法人に適用される会計基準等によって、作成された計算書類の数値を介護サービス事業別に算出、表示することが求められています。

そのための会計処理方法の仕組みは様々なものが考えられます。

 

通知は4つの会計処理ルールを示しています。

法人の会計事務の負担を考慮しつつ、運営基準の求める内容を満たす適切な会計処理方法の例として、『A会計単位分割方式』、『B本支店会計方式』、『C部門補助科目方式』、『D区分表方式』の各方式があります。

 

紹介しますと(Aが一番複雑で、以下順に簡便な会計処理ルールとなっています)

A 会計単位分割方式 

帳   簿 …  事業所別かつサービス事業別に作成

貸借対照表 … 事業所別に作成

損益計算書 … 事業所別に作成

 

B 会計単位分割方式 

帳   簿 …  事業所別かつサービス事業別に作成

貸借対照表 … 事業所別に作成(ただし、資本の部は分離しない)

損益計算書 … 事業所別に作成

 

C 部門補助科目方式 

帳   簿 …  サービス事業別に作成(補助コードにより集計)

貸借対照表 … 会社全体で作成

損益計算書 … サービス事業別に作成

 

D 部門補助科目方式 

帳   簿 …  サービス事業別に作成(配分表によって按分)

貸借対照表 … 会社全体で作成

損益計算書 … サービス事業別に配分表によって按分

 

介護事業において会計の区分が重要とされる理由は、行政において介護保険料や報酬の算定の基礎データとして公益性や効率性を判断するためです。

 

しかし、サービスごとの会計の区分は、継続的に介護サービスを提供するための適正な経営管理に必須のことだと考えます。経営実態に応じた会計処理ルールを導入することは大切です。

 

会計の区分の検討にあたっては、事前に専門家に相談されることをおすすめします。

介護会計に関するご質問・ご相談については、窓口から電話やメールでお気軽にご相談ください。(初回無料です)

 

火・木・土曜日は、「介護事業の基礎知識バージョンアップ編」として、記事を紹介しています。

 

「介護事業の基礎知識バージョンアップ編」は、ケアビジネスに関心がある方やこれから介護事業の経営に取り組まれようと考えられている方を対象に、介護事業に関する基本的で重要な事項を紹介する内容にしていきます。

 

最近の火・木曜日の「介護事業の基礎知識バージョンアップ編」の記事は次のとおりです。

・「大阪健康寿命延伸産業創出プラットホーム~ヘルスケア業界の今とビジネスプランの基本的な考え方 志水武史氏」はこちら(10/5)

・「自立支援促進のため、保険者への財政的インセンティブと介護サービスへのインセンティブを導入」はこちら(10/3)

 

土曜日は次のとおり「介護事業者のための会計ハンドブック」を連載しています。

・「介護会計のルールで大切なのは、会計の区分!」はこちら(9/30)

・「介護事業における会計ルールとは?」はこちら(9/23)

 

最近よく読まれている記事

・「平成30年度の介護報酬改定まで、あと4か月およびそのスケジュール感」はこちら(8/17)

 

介護事業は社会課題解決事業です。

保険料と税で運営されている社会保険制度としての制度ビジネスです。3年ごとに改定される制度変更には、しっかりと対応することをおすすめします。

 

開業を準備されている方や準備を検討されている方は、是非、ご相談ください。不安な点について一緒にベストな解決策を検討しましょう。

ご質問・ご相談については、窓口から電話やメールでお気軽にご相談ください。お待ちしています

 

制度変更により、大きく収入が落ち込んで事業縮小や廃業を余儀なくされるケースを避けるために、制度改定や計数を予測して、事業経営に活用することが大切だと思います。

 

月・水・金は次のとおり税務の記事を紹介しています。

月曜日は「マイホームの税金の手引き」

水曜日は「会社で事業をした場合(法人成り)のメリット」

金曜日は「いざそのときにあわてないための相続税や贈与税に関する知識」

日曜日は「2018年3月申告用の所得税確定申告の手引き」

 

投稿タグ
カテゴリーで絞る
back記事一覧へ戻る

まずはお気軽にお問い合わせください

06-6318-7726

営業時間:9:00~17:00(月曜日~金曜日)

メールでのお問い合わせ