売上が増えると資金が足りなくなる増加運転資金とは ~ 中小企業の「決算書」の読み方[50]
「経理・会計」の記事です。
今回は
売上が増えると運転資金が足りなくなります。つまり、売上が増えると手元資金が減少します
を紹介します。
運転資金とは
「仕入」→「在庫」→「販売」→「回収」の営業サイクルの中で、経常的に必要となる資金のことです。
それはお金の入ってくる時期が、お金が必要な時期と比べて遅れることに原因があります。
仕入れてから売上までの期間のキャッシュのズレにより、運転資金が必要となります。
「仕入」→「在庫」→「販売」→「回収」の営業サイクルを考えると
現金が棚卸資産(在庫)と売掛債権に変化し、現金回収までにお金が寝てしまいます。
その結果運転資金が発生します。
次のようなイメージです。
(出所:日本政策金融公庫 「創業Yell VOL.3 資金繰り」)
運転資金を算式にすると次のようになります
つまり、運転資金とは
言い換えると、売上債権回転期間(回収サイト)+ 棚卸資産回転期間(商品を仕入れてから販売されるまでの期間)と、買入債務回転期間(支払サイト)との期間のギャップを埋めるために必要な資金です。
たとえば
ある会社が回収サイト2か月、棚卸資産回転期間1か月、支払サイト1か月とすると
必要となる運転資金は回収サイト2か月+棚卸資産回転期間1か月-支払サイト1か月=売上の2か月分です。
月商が200万円である場合の運転資金は、200万円×2か月=400万円ですが、月商が500万円に増加した場合、500万円×2か月=1,000万円が必要となります。
つまり、売上増加額が300万円にもかかわらず、運転資金の増加額はその2倍の600万円になります。
変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。
(ピーター F.ドラッカー)
春の1日、元気にお過ごしくださいね。
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