稼ぐ力をあらわす「売上高経常利益率」5年間の推移をチェックしましょう~ 中小企業の「決算書」の読み方[25]
木曜日は「経理・会計」の記事です。
今回は
売上に対して充分な利益を確保できているかをみる指標「売上高経常利益率」。5年間の推移をチェックしましょう
を紹介します。
売上高経常利益率とは
売上高経常利益率とは、売上に占める経常利益が占める比率をあらわすものです。
算式でいうと、
売上高経常利益率 = 経常利益 / 売上高 × 100
です。
経常利益は
営業利益 + 営業外収益 - 営業外費用 = 経常利益
ですので、支払利息や受取利息など金融収支を加味した利益です。
経常利益はPLの中で最も重要な利益になります
会社の経常利益が黒字であれば、金融機関は融資可能と評価します。しかし、経常利益の赤字が継続すると、支払利息さえ自力で返せないと判断され、融資は困難と評価されます。そういう意味で、経常利益は損益計算書の中の利益のうち最も重要な利益です。
その経常利益と売上の割合を見ることは、会社全体の収益力を評価することになります。
<参考>
→ 経常利益・略してケイツネは、PLの中で最も重要な利益です。
たとえば、黒字企業の売上高経常利益率は次のようになっています
・建設業(一般土木) 6.5%
・製造業(自動車部品)5.3%
・卸売業(建築材料) 3.5%
など
(出所:TKC経営指標、戦略経営者21/08月号)
一方、小企業の業種別の売上高経常利益率は次のようになっています
・ 情報通信業 1.2%(調査対象数 1,509社)
・ 運輸業 0.3%(調査対象数 1,698社)
・ 卸売・小売業 0.3%(調査対象数 7,672社)
・ 飲食業、宿泊業 0.4%(調査対象数 1,694社)
・ 医療、福祉業 0.9%(調査対象数 2,349社)
など
(出所:日本政策金融公庫の小企業の経営指標調査 指標は中央値)
売上高経常利益率の中小企業全体平均は約4%といわれています。5%以上は目指したい経営指標と言われています。
売上高経常利益率は稼ぐ力の大きさを計る指標ですので
その5年間の推移をみてその数値が下降しているのか、上昇しているのかを見ることも大切です。
変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する(ピーター F.ドラッカー)
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夏の1日、元気にお過ごしくださいね。
トップの画像は、今日、墓参りの帰路、公園にあったオモチャの潜水艦(忘れ物)です。
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