「損益分岐点比率」の考え方。低ければ低いほど良いです ~ 中小企業の「決算書」の読み方[16]
木曜日は「経理・会計」の記事です。
今回は
損益分岐点比率(%)=損益分岐点売上高÷売上高×100、比率は低ければひくいほど経営は安定しています
を紹介します。
「損益分岐点」とは
事業の業績が損失となるか利益となるかの境目、すなわち収益と費用が等しくなり黒字でも赤字でもなく、利益がプラスマイナスゼロという状態を意味します。
その際の売上高が損益分岐点売上高といいます。
<参考>
→ 「損益分岐点」の考え方。自社の損益分岐点売上高を知っておきましょう
損益分岐点比率(%)とは
その損益分岐点売上高と実際の売上高を比較して損益分岐点比率(%)を考えます。
この比率が低いほど優良な企業となります。
つまり、損益分岐点比率は低ければ低いほど売上減少に耐える力が強く、経営安全度が高いと判断できます。
損益分岐点比率(%) = 損益分岐点売上高 ÷ 実際の売上高 × 100
たとえば
A社の損益計算書は次のようなものだったとします
① 限界利益 = 売上高 - 変動費
60 = 100 – 40
② 限界利益率 = 限界利益 ÷ 売上高
60% = 60 ÷ 100
③ 損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ 限界利益率
75 = 45 ÷ 60%
損益分岐点売上高は75万円です
④ 損益分岐点比率(%) = 損益分岐点売上高 ÷ 実際の売上高 × 100
75% = 75 ÷ 100 ×100
A社の損益分岐点比率は75%です。100%を超えると赤字会社です。
たとえば「黒字企業」で業種別でみれば次のとおりです
製造業(金属プレス製品製造業) 87.5%
建設業(一般土木建築工事) 84.1%
コンビニエンスストア 96.8%
配達飲食サービス業 94.4%
美容業 93.7%
(出所:TKC、BAST速報版「令和2年11月決算~令和3年1月決算」)
変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する(ピーター F.ドラッカー)
Every day is a new day!
春の1日を元気にお過ごしください。
トップの画像は、昨年植えたソヨゴという木です。
育つかどうか心配でしたが。
昨日、白い花が咲いていました。
一安心です。
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