借入金は自社にとって適正な水準となっていますか?「借入金月商倍率」で確認できます ~ 中小企業の「決算書」の読み方[12]
経営者にとって必要な“会計”を紹介していきます。
今回は
借入金月商倍率とは、借入が月商の何倍あるのかを把握する指標です
を紹介します。
自社の借入額はどの程度の水準なのか?を認識したい場合
確認する指標に「借入金月商倍率」があります。
借入金月商倍率は、次の算式により計算します。
借入金月商倍率 = 借入金 ÷ 売上高(÷12月)
つまり、借入金月商倍率とは、借入が月商の何倍あるのかを把握する指標です。
この倍率が低ければ安全ということです
適正な目安としては借入金月商倍率が3倍~4倍程度といわれています。
借入限度額の目安は、年商の2分1(月商の6倍)が目安といわれています。
月商の12倍以上の借入金は危険水域となります。
借入限度額の目安は、次のように考えます
<借入限度額の目安>
① 借入可能な財務状態であること(次の要件をすべてクリアーすること)を前提としています。
ⅰ 2期連続赤字でないこと
ⅱ 債務超過でないこと
ⅲ 税金の未納がないこと
② 借入限度額は次のⅰまたはⅱの低い方の金額となります。
ⅰ 年商の1/2
ⅱ 当期利益の10倍~20倍
あくまで新規取引の際の目安です。すでに取引がある場合には他の諸事情が考慮されます。
(出所:「借入は減らすな!」著者:税理士 松波竜太、あさ出版)
借入金月商倍率は、平均で製造業では4.9倍、小売業では2.2倍といったところです
製造業や小売業の借入金月商倍率は黒字・赤字企業別に見てみると次のようになっています。
■製造業 平均 4.9倍
■製造業 黒字企業平均 4.1倍
■製造業 赤字企業平均 7.5倍
■小売業 平均 2.2倍
■小売業 黒字企業平均 2.1倍
■小売業 赤字企業平均 3.8倍
(出所:TKC経営指標)
中小企業の「決算書」の読み方では、中小企業の経営者が自社の決算書の見方を理解して、それを経営に活かせる考え方を紹介していきます。
変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する(ピーター F.ドラッカー)
Every day is a new day!
春の1日を元気にお過ごしください。
【編集後記】
画像は今日の舞鶴湾(私の故郷)の様子です。
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
・月曜日は「創業者のクラウド会計」
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・土曜日は「創業者のクラウド会計」または「決算書の読み方」など
・日曜日はテーマを決めずに書いています。
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