変動費や固定費は3年~5年間の期間で、変動費率や固定費率の推移を見てみる ~ 中小企業の「決算書」の読み方[4]
経営者にとって必要な“会計”を紹介していきます。
今回は
変動費や固定費は3年~5年間の期間で、変動費率や固定費率の推移を見てみる
を紹介します。
費用を分類すると変動費と固定費に分類できます。
売上高の増減に比例して増減する支出が「変動費」です
たとえば、仕入れの売上原価は売上高に連動して変化します。
売上高が10%増えると、売上原価も同じように10%増えます。
ちなみに、売上高から変動費である売上原価を差し引いたものが売上総利益です。
粗利ともいいます。
<参考>
→ 粗利率とは何ですか?
売上高が変化しても変動しない支出が「固定費」です
損益計算書でいうと、販売費及び一般管理費のほとんどが固定費です。
たとえば、人件費(役員報酬や給料など)や支払家賃や減価償却費などの費用が固定費になります。
売上高が変化しても、固定費は通常は一定です。
売上高が大きく増加すれば、人やオフィスを拡充することもありますので、増えることはありますが、通常は売上高の増減に対しては固定的な費用です。
<参考>
→ 販売費及び一般管理費とは営業にかかった費用のことをいいます
売上高に対する変動費の割合を変動費率、売上高に対する固定費の割合を固定費率といいます。
変動費率が上昇しているようであれば
変動費率は売上高と比例するといっても、同じように比例することはありません。
単年度だけを見てもその推移はわかりません。
3年~5年間の推移を見て、そのトレンドを見る必要があります。
変動費率が上昇しているようであれば、次のような改善を検討します。
・仕入単価や外注単価の見直し(価格交渉や仕入れ業者を見直すなど)
・利幅の少ない儲からない商品をやめる
・材料使用量の削減化
・内製化による外注費の削減
・不良やロスの低減化
固定費率が上昇しているようであれば
ほうっておくと固定費は上昇していきます。固定比率は変動費率と同じで3年~5年間の推移を見て、そのトレンドを見る必要があります。
固定費率が上昇しているようであれば、次のような改善を検討します。
・人件費の見直し(外注化、残業代の削減、業績給などの賃金制度や定年制の見直し)
・不要資産の売却
・前年比で上回っている経費の削減(とくに広告費、交際費、交通費など)
変動費や固定費は3年~5年間の期間で、変動費率や固定費率の推移を見てみます。
中小企業の「決算書」の読み方では、中小企業の経営者が自社の決算書の見方を理解して、それを経営に活かせる考え方を紹介していきます。
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