損益計算書の仕組みと読み方「売上高」と「５つの利益」 ～ 中小企業の「決算書」の読み方[2]
経営者にとって必要な“会計”を紹介していきます。
今回は
損益計算書の仕組みと読み方「売上高」と「５つの利益」
を紹介します。
損益計算書の仕組みは収益－費用＝利益を表しています
その損益計算書の仕組みをわかりやすく箱図にしたものが次の図です。
損益計算書は売上高（一番左）から費用を差し引いて、５つの利益をあらわす仕組みになっています。
その５つの利益とは、①売上総利益、②営業利益、③経常利益、④税引前利益、⑤当期純利益です。
１ 売上総利益
損益計算書の一番上に記載される「売上高」から「売上原価」を引いた利益です。
粗利益（あらりえき）または粗利（あらり）といいます。
その会社の商品・サービスの力、すなわち収益力の根源をあらわします。
<参考>
→ 会計では売上原価と在庫はセットで考えます。在庫は要注意です
２ 営業利益
売上総利益から「販売費および一般管理費（よく販管費とよばれます）」を引いた利益が営業利益となります。
<参考>
→ 販売費及び一般管理費（販管費）とは営業にかかった費用のことをいいます
→ 販管費のうちの人件費。このうちポイントになるのは役員報酬です
３ 経常利益
営業利益に、雑収入や利息などの営業外収益をプラスして、支払利息などの営業外費用をマイナスした利益を経常利益といいます。
経常利益は決算報道などでよく引き合いに出されます。
４ 税引前当期利益
経常利益から「特別利益」をプラスし、「特別損失」をマイナスした利益を「税引前当期利益」といいます。
特別という意味は、継続性がない、その年度に限ったという意味です。
例えば、会社の土地を売却して一時的に売却益や損失が出た場合に、特別利益や特別損失が計上されます。
５ 当期純利益
税引前当期利益から、最後に法人税などの税金を差し引いた利益が「当期純利益」です。
当期利益ともいいます。
最後に残された利益ですので、新聞などで最終黒字や最終赤字という言い方をします。この利益の蓄積が利益剰余金です。この蓄積が純資産（自己資本）をふくらませていきます。
５つの利益のうち、どの利益をコントロールしていくかが大切です。
中小企業の「決算書」の読み方では、中小企業の経営者が自社の決算書の見方を理解して、それを経営に活かせる考え方を紹介していきます。
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