吹田市社会福祉協議会2021年度事業活動計算書の「サービス活動外収益」と「特別収益」について ~ 社会福祉協議会[4]
福祉医療機構の「社会福祉法人の財務諸表等電子開示システム」に、吹田市にある社会福祉法人(40法人)の2021年度現況報告書がアップされています。
このうち吹田市社会福祉協議会をとりあげて、2021年度事業活動計算書の内容を紹介しています。前回は、同協議会のサービス活動増減の部の収益をとりあげました。
今回は
同協議会の2021年度事業活動計算書の「サービス活動外収益」「特別収益」
を紹介します。
社会福祉法人の事業活動計算書は、収益、費用について、大きく4つの区分にしてあらわします
1 サービス活動増減の部
2 サービス活動外増減の部
3 特別増減の部
4 繰越活動増減差額の部
収益は、この4つの区分にしたがって分類します
「1 サービス活動増減の部」の区分では、サービスを提供して得たお金を「サービス活動収益」とします。
「2 サービス活動外増減の部」の区分では、受取利息などのように毎年経常的に受け取る収益を「サービス活外動収益」とします。
「3 特別増減の部」の区分では、固定資産の受贈や売却益など臨時的な収益などを「特別収益」とします。
「4 繰越活動増減差額の部」の区分では、1年間の活動全体の採算性をあらわす当期活動増減差額に前期繰越差額を加えて、純資産の増加額を「次期繰越活動増減差額」であらわします。
今回は「2 サービス活動外増減の部」、「3 特別増減の部」、「4 繰越活動増減差額の部」をみていきます。
同協会のサービス活動外増減の部の「収益」は次のようになっています
左側が当期決算、右側が前期決算数字です。
ポイントは次の2つです。
① 受取利息配当金7,326,119円は、前期・当期とも変化ありません。
② 当期は、投資有価証券売却益14,355,732円が計上されています。(前期に売却益の計上はありません)
受取利息配当金7,326,119円は、所有している利付国債(期末簿価732,094,533円)の受取利息と推測されます。(同額の7,326,119円は資金収支内訳表にも計上されています)
また、投資有価証券売却益14,355,732円に関してですが、これは所有する満期保有目的の債券の利付国債によるものだと推測されます。
つまり、前期の国債帳簿価額720,361,470円は、当期の国債帳簿価額732,094,533円になっています。また当期に所有する国債種類および銘柄は、前期の種類および銘柄から変わっています。
「3 特別増減の部」の収益は次のようになっています
左側が当期決算、右側が前期決算数字です。
前期に計上されていた内本町拠点区分間繰入金収益52,945,742円は、当期はゼロと記載されています。
これは、前期まで内本町拠点として行っていた居宅介護支援事業とデイサービス事業を、他の法人が受託(指定管理者)したものによるものです。
変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する(ピーター F.ドラッカー)
Every day is a new day!
夏の1日、元気にお過ごしください
【編集後記】
7月から吹田市社会福祉協議会の決算書をとりあげています。
その趣旨は、私が社会福祉法人の会計に不慣れなため、その知識の習得のため、社会福祉法人の代表例として全国にある市区町村社会福祉協議会のうち、身近な吹田市の社会福祉祉協議会を選んだことによります。
なにぶん、社会福祉法人の会計につき初心者ですので、おかしな点がありましたら、ご教示、ご指導をお願い申し上げます。
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
・月曜日は「創業者のクラウド会計」
・火曜日は「消費税」
・水曜日は「消費税」
・木曜日は「経理・会計」
・金曜日は「贈与や相続・譲渡など資産税」
・土曜日は「創業者のクラウド会計」
・日曜日はテーマを決めずに書いています。
免責
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