持続化給付金の申請要領「白色申告の個人事業者の場合」申請のポイント ~ 新型コロナウイルス[13]
5/1に申請要領が公表されています。
「持続化給付金申請要領」(中小法人等向け・個人事業者向け)です。
持続化給付金とは
感染症拡大により、特に大きな影響を受ける事業者に対して、事業の継続を下支えし、再起の糧とするための事業全般に広く使える給付金です。
給付額は、個人事業者は100万円、法人200万円です(昨年1年間の売上からの減少分を上限とします)。
売上減少分の計算方法は次のとおりです
前年の総売上(事業収入) – (前年同月比▲50%月の売上×12ヶ月)
「持続化給付金申請要領」(個人事業者等向け)のうち、今回は
個人事業者“白色申告者が申請する場合のポイント”
を紹介します。
給付の対象となる個人事業者は次のとおりです(ざっくりと)
■2019年以前から事業収入があること
■2020年1月以降、新型コロナにより前年同月比で収入50%以上減少した月※があること
※ 「対象月」といいます
白色申告を行っている場合には、月次の事業収入を確認することができませんので
2019年の月平均の事業収入と対象月の月間収入を比較します。
つまり、持続化給付金の対象になるかどうかは次のようにチェックします
A:2019年の年間事業収入
A1:2019年の月平均の事業収入 (A÷12月)
B:2020年の対象月の月間収入
A1×50% ≧ B つまり50%以上減少しているかどうかをチェックします。
チェック後、給付額を算出します。算出式は次のとおりです
給付額の算定式
S= A - B × 12月
S:給付額(上限100万円)
A:2019年の年間事業収入
B:2020年の対象月の月間収入
Bの「対象月」とは
月間事業収入が、前年同月比50%以下となる月で任意で選択した月を【対象月】と呼びます。対象月は、2020年1月から12月までの間で、事業者が選択した月です。
申請にあたって、必要な証拠書類は次のとおりです
①2019年分の確定申告書第一表(1枚)
②2020年分の対象とする月(対象月)の月間事業収入がわかるもの
③通帳(写し)
④本人確認書類
2020年分の対象とする月(対象月)の月間事業収入がわかるもの、とは
つまり、2020年〇月と明確に記載されている売上台帳、帳面その他の2020年分の確定申告の基礎となる書類が原則です。
平たく言いますと、対象月の事業収入額がわかる売上台帳などを提出すればよいことになっています。
フォーマットの指定はありません。会計ソフトなどから抽出したデータ、エクセルデータ、手書きの売上帳などでも問題ありません。書類の名称も「売上台帳」でなくても構いません。
提出するデータが2020年○月と明確に記載されているなど、対象月の事業収入であることを確認できる資料であれば問題ありません。
算出例は次のとおりです
上の図の例でいえば
①2019年の年間事業収入
300万円
②2019年の月平均事業収入
300万円÷12月=25万円
③2020年4月の月間事業収入(この例では収入の少ない4月を対象月としています)
10万円
④②×50% ≧ ③
25万円×50% ≧ 10万円
前年同月比で50%以上減少しているため給付対象となります。
⑤給付額の計算
300万円-10万円×12=180万円 > 100万円(上限額)
∴ 持続化給付金 100万円
青色申告を行っている者でも、次のような方は
①所得税青色申告決算書を提出しない者(任意)
②所得税青色申告決算書に月間事業収入の記載がない者
③相当の事由により当該書類を提出できない者は
今回の白色申告を行っている方と同様に、2019年の月平均の事業収入と対象月の月間事業収入を比較して、持続化給付金を申請ができます。
<参考>20/05/23
→ フリーランスに持続化給付金「給与所得・雑所得に対象拡大」、「2020年開業の中小企業や個人事業主へ対象拡大」
変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する(ピーター F.ドラッカー)
Never waste a good crisis!
春の日の1日を元気にお過ごしください。
新型コロナウイルスの記事
[1] 日本政策金融公庫の「新型コロナウイルス感染症特別貸付制度」の3つのポイント
[2] 新型コロナウイルスによる「税金」「社会保険料」の支払い猶予
[3] 新型コロナウイルス感染拡大を受けた緊急の税制改正の内容
[4] セーフティネット保証4号(自然災害等)の融資と認定手続き
[5] 新型コロナ最大200万円の事業者向け給付金の仕組み(持続化給付金)
[7] 日本政策金融公庫「新型コロナウイルス感染症特別貸付」及び「実質無利子化(特別利子補給制度)」
[8] 持続化給付金の申請「3月法人で令和2年3月末の確定申告を提出していない場合」
[9] 持続化給付金の申請「昨年(2019年)に創業した法人の特例」
[11] 持続化給付金申請「新規開業特例2019年に新規開業した個人事業者の場合」
[12] 小規模事業者持続化補助金<コロナ特別対応型>の募集が始まっています
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
・月曜日は「創業の基礎知識~創業者のクラウド会計」
・火曜日は「平成31年度介護報酬改定の重要事項」
・水曜日は「消費税」(今日はお休みしました)
・木曜日~日曜日はテーマを決めずに書いています
免責
ブログ記事の内容は、投稿時点での税法その他の法令に基づき記載しています。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。