「介護職員等特定処遇改善加算」配分ルールを決めるまでの6ステップ ~ 介護職員等特定処遇改善加算⑱
2019年10月の消費税率の10%への引き上げとともに、新加算が創設されています。
新加算は「介護職員等特定処遇改善加算」です。
新加算は10月からスタートします。新加算を10月から取得するためには、8月末までに処遇改善計画書を市町村等に提出し、職員等に知らせる必要があります。
この新加算の配分ルールを決めるまでのポイントを、6ステップに分けて
ご紹介します。
STEP1 加算の算定要件の確認します
■現行の介護職員処遇改善加算(Ⅰ)から(Ⅲ)までを取得していること。
■職場環境等要件に関し、「資質の向上」、「労働環境・処遇の改善」、「その他」の区分で、それぞれ1つ以上の取組を行うこと
■ホームページへの掲載等を通じて、賃上げ以外の処遇改善の取り組みの見える化を行っていること(来年度から)
10 年以上の介護福祉士がいなくても設定可能です
「経験・技能のある介護職員」は、原則勤続10年以上の介護福祉士を基本としています。しかし、10 年以上の勤続年数を有しない者であっても業務や技能等を勘案して対象とするなど、各事業所の裁量により柔軟に設定可能です。
STEP2 加算の区分を確認します
■特定処遇改善加算の加算区分は、ⅠとⅡの2区分になっています。
■Ⅰを算定できるのは、サービス提供体制強化加算の最も上位の区分などを算定している次の場合です。(Ⅰに該当しない場合はⅡの算定になります。)
Ⅰを算定できる場合
訪問介護:特定事業所加算(Ⅰ)または(Ⅱ)
特定施設入居者生活介護等:サービス提供体制強化加算または入居継続支援加算
介護老人福祉施設等:サービス提供体制強化加算(Ⅰ)イまたは日常生活継続支援加算
ⅠとⅡの加算率は次のようになっています。
STEP3 特定処遇改善加算の見込額を計算します
介護報酬に加算率を乗じます
各事業所の介護報酬 × 各サービスの特定処遇改善加算の加算率 = 各事業所の特定処遇改善加算による収入
《参照記事》
→ 改善計画書作成2つのポイント
STEP4 賃上げを行う職場を決めます
同じ賃上げルールを行う職場を、事業所単位または法人単位かどちらかに決めます。
(問15 2019 年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)19/04/12)
STEP5 賃上げを行う職員の範囲を決めます
■経験・技能のある介護職員を定義します
《参照記事》経験・技能のある介護職員の考え方
→ 勤続10年以上の介護福祉士がいない「経験・技能のある介護職員」のルール
■すべての職員をA、B、Cに区分します
A:経験・技能のある介護職員
B:ほかの介護職員(経験・技能のある介護職員以外の職員)
C:その他の職種
■A、B、Cで賃上げするか決めます
加算額をすべてAに配分することもできます。
または、、AとB、A+B+Cに配分することもできます。
《参照記事》配分の考え方
→ 平均賃金改善額の職員配分比率や勤続年数10年ルール
STEP6 配分ルール(賃上げ額と方法を決める)
■Aグループのうち1人以上は、月額8万円の改善または年収440万円となる者が必要です
《参照記事》考え方
→ 既に賃金が年額440万円以上の者がいる場合
■平均改善額は、Aグループは、Bグループの2倍以上。Cグル-プは、Bグループの1/2以下とします
■各グループのうち一人ひとりの賃金改善額は、一律でもよいし、メリハリをつけることも可能です
6つのステップで考えてみてください。
制度は複雑ですが、必要な加算だと思っています。
変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する(ピーター F.ドラッカー)
Every day is a new day!
秋の1日を元気でお過ごしください。
高齢化に伴う日本の社会的課題に対して、会計・税務専門職としての役割を果たしたいと考えております。
創業者には、事業を着実に成長させるために次のようなサービスを提供しています。
介護事業を成長させていきたいと考えている方の支援を致しております。
▶ 創業起業サポート 「創業者応援クラウド会計サービス」と「顧問相談クラウドサービス」
火曜日は「介護事業の基礎知識~平成30年度介護報酬改定」として記事を紹介しています。
ブログ記事は
http://www.y-itax.com/category/kaigo/
介護職員等特定処遇改善加算(2019年10月実施)
③ 勤続10年以上の介護福祉士がいない「経験・技能のある介護職員」のルール
④ 勤続10年以上の介護福祉士がいない「経験・技能のある介護職員」のルール
⑦ 特定処遇改善加算と処遇改善加算を合計した上乗せ率、最上位20%
⑧ 改善計画書作成2つのポイント。「特定加算の見込額」と「賃金改善の見込額」
⑨ 改善計画書の作成ポイント「各々のグループの平均賃金改善額を算出」
⑩ 改善計画書の作成ポイント。3要件のうち「職場環境等要件」とは
⑬ 4月から“年5日の年次有給休暇取得の義務”をご存じですか
⑭ 2019年4月から「労働時間の状況の把握」が義務化されています
⑮ 「職場環境等要件」と介護プロフェッショナルキャリア段位制度
⑯ 特定加算(Ⅱ)の算定にあたっては介護福祉士の配置等要件は満たす必要はない
2025年に向けた介護人材の確保~介護人材確保の具体的な方策
③ なぜ、介護職は働き続けるためのキャリアパスの構築ができないのか?
④ 介護職に必要なキャリアパスのキーワードは「多職種によるチームケアの推進」
⑨ 介護の在留資格。外国人の在留資格「特定技能」(介護)の創設
平成31年度の介護報酬改定(2019年10月実施)
② 高額対応投資
⑪ 新処遇改善加算の「10年以上8万円」と「事務所内での配分」の議論
⑬ 介護給付費分会での「新しい処遇改善加算の取得要件」についての意見
平成30年度
「有料老人ホームなど特定施設入居者生活介護」の介護報酬改定は次のとおりです。
① 「新しい住宅セーフティネット法」が10月25日から施行されています
④ 有料老人ホームなど基本報酬の引上げを抑え、医療連携に新加算
⑩ ショートステイ特定施設入居者生活介護の利用者数の上限見直し
⑫ スプリンクラー設置義務の経過措置は平成30年3月31日に終了
「通所介護」の重要事項は次のとおり。
⑤ 「栄養改善加算」外部との連携で管理栄養士を配置した場合にも算定可能
⑥ 共生型生活介護など介護と障害福祉の両方で共生型サービスが始まっています。
⑧ 障害福祉サービス事業所が要介護者にサービスを提供する場合
「認知症対応型共同生活介護」重要事項は次のとおり
「介護老人保健施設」重要事項は次のとおり
① 類型が大きく見直されました。在宅復帰・在宅療養支援等指標が導入。
② 介護老人保健施設の役割は在宅復帰・在宅療養支援。基本報酬体系が大幅に見直し
③ 在宅復帰率が低くても在宅復帰・在宅療養支援機能加算Ⅰを算定し「加算型」で増収
「訪問看護」重要事項は次のとおり
① 基本報酬の見直しで要支援者向けの報酬体系を新設。リハビリ職の訪問が報酬減。
② 訪問看護ステーションにおける理学療法士等による訪問の見直し
③ 中重度者対応やターミナルケア促進するため看取りや24時間対応を評価します
④ 複数名訪問加算〝複数名による訪問看護に係る加算の実施者の見直し〟
「居宅介護支援」重要事項は次のとおり
② 入院時情報連携加算(Ⅰ:月200単位、Ⅱ:月100単位)の見直し
③ ケアプラン初回作成の手間が評価された退院・退所加算の見直し
⑤ 改定の目玉 医療・介護連携を促進する観点で新設された特定事業所加算Ⅳ
⑥ 主任ケアマネジャーであることを管理者要件とする管理要件の見直し
「訪問介護サービス」重要事項は次のとおり
⑥ 訪問回数の多いケアプランは市町村に提出し、地域ケア会議で検討を義務付け。
ブログは曜日により、次のようにテーマを決めて書いています。
・月曜日は「開業の基礎知識~創業者のクラウド会計」
・火曜日は「平成31年度介護報酬改定の重要事項」
・水曜日は「消費税」
・木曜日は「法人節税策の基礎知識」
・金曜日は「相続税ついてわかりやすく!」
・土曜日は「経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方」
・日曜日は、テーマはきめていません
免責
ブログ記事の内容は、投稿時点での税法その他の法令に基づき記載しています。本記事に基づく情報により実務を行う場合には、専門家に相談の上行ってください。